葬儀の服装マナー|男女別・学生別・子ども別の基本とNG例

葬儀の服装マナーの基本を男女別・学生別・子ども別に解説する記事アイキャッチ画像

監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)

お通夜や葬儀にご参列する際、「どんな服装が正しいのだろう」と迷うことはございませんか。とくに急なご訃報を受けたときは、慌てて服を探す方もいらっしゃるでしょう。

葬儀の服装は、いわば「列席者の制服」のようなものです。形式そのものより、故人を偲び、ご遺族の気持ちに寄り添う姿勢を、装いで表すことが大切とされています。

この記事では、男性・女性・学生・お子さま別の基本マナーと、避けたいNG例、そして服装選びの考え方の本質まで、やさしく整理してお伝えします。

目次

葬儀の服装マナーの基本

喪服姿の男女と学生と子どもが並ぶ葬儀の服装マナーを示すイラスト

葬儀の服装は、「準制服」と表現されることがあります。装飾を抑え、全体で統一感を出すことが望まれます。これは、故人やご遺族への敬意と、列席者全員にとっての場の落ち着きを守るための、共通の約束ごとです。

男性の葬儀の服装マナー

男性の基本の服装

男性の場合、シンプルで落ち着いた印象の黒いフォーマルスーツが基本となります。

  • 黒のフォーマルスーツ
  • 白無地のワイシャツ
  • 黒の無地のネクタイ(ネクタイピンは光り物のため避けます)
  • 黒の靴下
  • 黒の合成皮革または牛革のひも靴(金具なし)

スーツは光沢の少ないものを選びます。ベルトや時計も、目立たない控えめなものを合わせるとよいでしょう。

女性の葬儀の服装マナー

女性の基本の服装

女性の場合、黒のアンサンブル(ワンピース+ジャケット)が定番です。華美にならないよう、素材や小物にも気を配ります。

  • 黒のアンサンブル(ワンピースとジャケット)
  • 黒の合成皮革または牛革パンプス(ヒールは3〜5cm、つま先はプレーンまたはスクエアトウ)
  • 黒のストッキング
  • 黒のバッグ

女性の身だしなみの注意点

  • アクセサリーは結婚指輪とパールのみ(重ね付けは避けます)
  • ネイルやお化粧は控えめに
  • 光沢のある素材は避けます
  • スカート丈はひざ下〜ふくらはぎ
  • ご高齢の方はパンツスタイルや歩きやすい靴でも問題ありません

学生・お子さまの葬儀の服装

学生(制服)の基本マナー

学生さんは制服が正装とされるため、そのままで問題ありません。靴も普段のもので構いません。

お子さまの年齢別の服装ポイント

お子さまは、年齢によって対応が少しずつ変わります。

  • 10歳以上:白シャツ+ズボンまたはスカート。黒または白の靴下。靴は黒が望ましいですが、なければ運動靴でも構いません。
  • 幼児〜低学年:手持ちのお洋服から、できるだけ地味な色・シンプルなデザインを選びます。靴も落ち着いた色が望ましいでしょう。

小さなお子さまの場合、無理にそろえる必要はありません。ご家族で「シンプルで控えめなこと」を共有しておけば十分です。

避けたいNGな服装

黒い喪服と数珠と白菊を並べた女性の葬儀の装い一式のフラットレイ

一方で、避けたほうがよい服装もあります。次のようなアイテムやデザインは、葬儀の場ではNGとされています。

  • 殺生を思わせる素材(ワニ革・蛇革)の靴やバッグ
  • 光沢のある素材
  • 金や赤など、お祝いを思わせる色
  • ブーツ・サンダル・スニーカーなどのカジュアルな靴
  • Tシャツやジーンズなど、黒でもカジュアルすぎる服
  • アニマル柄、露出の多い服、シースルーなど肌を見せる服
  • 全体的に派手なデザイン
  • 派手な髪色や目立つアクセサリー

「華やかさ」と「カジュアルさ」を抑えて弔意を表すのが服装の基本

葬儀の服装で迷わないために

服装選びで大切な考え方(マナーの本質)

葬儀は、列席者全員にとって、故人との最後のお別れの時間です。「ほかの方の邪魔をしない」ことが、何よりのマナーといえます。

過去には、ふさわしくない服装でお通夜や告別式に参列され、批判を受けた著名人もいらっしゃいました。一方で、忌野清志郎さんの葬儀に革ジャンで参列され、弔辞を読まれた甲本ヒロトさんは批判されませんでした。それはなぜか——そこには、服装マナーの本質が隠れているのかもしれません。

故人との関係性、その場の意味、列席者全体の空気——それらが調和していれば、形式だけでは測れない「礼節」が立ち上がります。

急なご参列で喪服が間に合わないとき

お通夜は急なご訃報を受けて駆けつけるという性格があるため、地味な平服でも失礼にはあたりません。黒・濃紺・グレーといった落ち着いた色を選び、光沢や柄を避ければ十分です。翌日の葬儀・告別式までに喪服を準備すれば良いのです。

補足|さらに詳しく

季節・気候への配慮

喪服のマナーは「黒」「控えめ」が基本ですが、近年は気候の変化に合わせた現実的な配慮も大切にされるようになりました。真夏の式場では、ジャケットを着脱できるよう半袖ブラウスを下に重ねたり、冬場はインナーで防寒したりと、ご自身の体調を守る工夫もマナーの一部と捉えられています。

夏:通気性のあるブラックフォーマル素材、汗対策のインナー

冬:黒のコート(光沢の少ないもの)、ヒートテック等のインナーは色を黒・グレーで

雨天:黒・濃紺の傘、長靴は避け、防水パンプス等で対応

宗派・地域による違い

日本の葬儀では仏式が多くを占めますが、神式・キリスト教式・無宗教式など、お見送りの形はご家族ごとに異なります。基本のブラックフォーマルであれば、どの宗派でも失礼にはなりません。迷われたときは、式場やご家族に「平服指定でしょうか」と確認しておくと安心です。

近年のドレスコードの変化

家族葬・直葬・お別れの会など、お見送りの形が多様になるにつれ、「平服でお越しください」というご案内も増えてきました。ここでの「平服」は普段着ではなく、「ダークスーツや落ち着いたワンピース」を指します。ジーンズやスニーカー、明るい色のシャツは避けましょう。

「平服」=ダークカラーのきれいめ服装。普段着ではない点に注意

アクセサリーは結婚指輪と一連パールのみが基本

髪は顔にかからないようまとめると、お焼香の所作も美しく見えます

よくあるご質問(FAQ)

葬儀には必ず喪服で行かなければいけませんか?

基本は黒のフォーマル(喪服)が望ましいですが、急なご参列の場合は地味な色合いのスーツや服装でも問題ありません。大切なのは、落ち着いた印象を保つことです。

お通夜と葬儀で服装は変えるべきですか?

以前は「お通夜は略式でもよい」とされていましたが、現在はお通夜・葬儀ともに喪服で参列されるのが一般的です。迷われた場合は喪服を選んでおくと安心です。

女性のストッキングや靴で気をつけることはありますか?

黒のストッキングとシンプルな黒のパンプスが基本です。光沢のある素材や派手なデザインは避け、全体的に控えめな印象を意識すると安心です。

子どもの服装はどこまで気をつければよいでしょうか?

制服があればそのままで問題ありません。私服の場合も無理にそろえる必要はなく、できるだけ地味で落ち着いた服装を選んでいただければ大丈夫です。

葬儀の服装で一番大切なポイントは何ですか?

「目立たないこと」「場の雰囲気を乱さないこと」です。形式よりも、故人やご遺族への配慮を大切にすることが、マナーの本質となります。

まとめ|大切なのは「故人を偲ぶ気持ち」

  • 男性は黒のフォーマルスーツ、女性は黒のアンサンブルが基本
  • 学生は制服、お子さまは地味で落ち着いた服装で問題なし
  • 光沢・派手色・カジュアル素材・殺生を思わせる素材は避ける
  • 急なお通夜は地味な平服でも可、葬儀・告別式までに喪服を用意
  • 服装の本質は「故人を偲び、場を乱さない」こと

想送庵カノン(東京都葛飾区立石)では、ご参列の作法や服装で迷われた際のご相談にもお応えしております。「これでよいのだろうか」と不安を感じられたとき、どうぞお気軽にお声がけください。

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この記事の監修者

三村 麻子のアバター 三村 麻子 看取りの水先案内人

あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)

<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール

<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師

<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師

<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。

【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。

2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。

<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア

<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと

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