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監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)
大切な方が亡くなると、深い悲しみの中でも、短期間で数多くの決断や手続きを進めなければなりません。
「何から始めればいいのかわからない」「順番を間違えてしまわないか心配」という不安を抱える方も少なくありません。
一般的には、ご逝去から葬儀まで2〜5日程度で進むことが多く、その間に葬儀社との打ち合わせや日程調整、関係者への連絡など、多くの準備が必要になります。
もちろん、ご家族の状況や地域、宗教、火葬場の予約状況によって流れは異なりますが、「何をいつまでに行えばよいのか」をあらかじめ知っておくことで、気持ちに少し余裕が生まれます。
この記事では、臨終の翌日から葬儀当日までの数日間に行うべきことを、時系列に沿ってわかりやすく解説します。

ご家族が亡くなられると、故人さまは病院や施設から安置場所へ移されます。その後、火葬場の予約状況や宗教者の予定などを調整しながら、葬儀の日程を決めていくことになります。
最近では火葬場が混み合う地域も多く、以前より安置期間が長くなるケースも珍しくありません。しかし、日程に余裕があるように見えても、実際には葬儀内容の決定や親族との相談、各方面への連絡など、やるべきことは数多くあります。
すべてを一人で抱え込もうとせず、家族で役割を分担しながら、葬儀社のサポートを受けて一つずつ進めていくことが大切です。
もっとも優先すべきことは、葬儀社を決めることです。
病院で亡くなられた場合、故人さまを長時間病室に安置しておくことができないため、搬送と安置の手配が必要になります。
病院から葬儀社を紹介されることもありますが、その場で必ず依頼しなければならないわけではありません。あらかじめ希望する葬儀社がある場合は、その会社へ直接連絡して問題ありません。
葬儀社を選ぶ際は、費用だけではなく、説明のわかりやすさや担当者の対応、家族の希望を丁寧に聞いてくれるかどうかも重要なポイントです。
葬儀は一度きりのお別れです。「何となく」で決めるのではなく、安心して任せられる会社を選びましょう。
葬儀社が決まったら、できるだけ早い段階で喪主を決めます。
喪主は、葬儀全体の代表として打ち合わせを進めたり、親族への挨拶を行ったりする役割があります。
以前は「長男が務めるもの」という考え方もありましたが、現在では配偶者や長女、次男など、ご家族の事情に合わせて柔軟に決められるようになっています。
高齢の配偶者が負担を感じる場合には、お子様が喪主を務めたり、喪主と施主のように、代表者を分担したりすることも珍しくありません。
形式にとらわれすぎず、「無理なく務められる人」を選ぶことが大切です。
喪主が決まったら、次は葬儀全体の方向性について、ご家族で話し合います。
ここで大切なのは、「どの葬儀形式にするか」を最初に決めることではありません。
まず考えたいのは、故人との最後の時間をどのように過ごしたいかということです。
ゆっくりと故人のそばで過ごしたいのか、多くの方に見送っていただきたいのか、それとも静かな雰囲気の中で家族だけの時間を大切にしたいのか。
お別れの時間に何を大切にしたいかによって、その後の選択肢は自然と見えてきます。
次に考えるのは、誰とその時間を過ごしたいかです。
家族だけで見送りたいのか、親族までお声掛けするのか、あるいは友人やご近所の方、仕事関係の方にも参列していただくのかによって、会場の規模や準備する内容も変わります。
参列者の人数だけでなく、「故人とご縁のあった方々にどのようにお別れしていただきたいか」という視点で考えることも大切です。
そのうえで確認したいのが、宗教形式です。
菩提寺がある場合は、その宗派に沿って葬儀を行うのが一般的ですが、実際には「うちは何宗だったかな」と迷われるご家族も少なくありません。
特に、浄土宗と浄土真宗は名前が似ているため混同されやすく、浄土真宗にも本願寺派(西本願寺)と大谷派(東本願寺)という代表的な宗派があります。また、天台宗と真言宗はどちらも密教系の宗派であることから、混同されることがあります。
宗派が分からない場合は、ご親族や菩提寺へ確認することをおすすめします。自己判断で進めると、ご住職との打ち合わせや納骨の際に支障が生じることもあるためです。
こうした方向性が整理できたら、最後に葬儀の形式を検討します。
一般葬、家族葬、一日葬、火葬式など、葬儀にはさまざまな形式がありますが、「どれが正解」というものはありません。
大切なのは、最初に考えた「どんな時間を過ごしたいか」という想いに合った形式を選ぶことです。
葬儀の形式は目的ではなく、大切な方との最後の時間を形にするための手段です。ご家族の想いや故人の生前の希望を大切にしながら、納得できるお見送りの方法を選びましょう。
葬儀の方向性が決まると、具体的な打ち合わせが始まります。
ここでは祭壇や棺、式場、霊柩車、返礼品、お料理など、多くの項目について一つずつ決めていきます。
初めて葬儀を経験される方にとっては、「こんなに決めることがあるのか」と驚かれるかもしれません。
しかし、すべてを最初から理解している必要はありません。
経験豊富な葬儀社であれば、ご家族の人数やご予算、故人のお人柄などを伺いながら、一つずつ提案してくれます。
わからないことがあれば遠慮せず質問し、納得しながら進めることが、後悔のないお別れにつながります。
菩提寺がある場合は、できるだけ早めに連絡を入れましょう。
葬儀の日程を決めるにあたっては、ご住職の予定が最優先です。また、戒名についての相談なども必要になります。
中には「日程が決まってから連絡しよう」と考える方もいらっしゃいますが、それでは再調整が必要となり、かえってご負担となります。
また、菩提寺があるにもかかわらず相談せずに別の宗教者へ依頼すると、のちのち、納骨の際に問題となるケースもあります。
日頃からお付き合いのある寺院がある場合は、まず最初に相談されることをおすすめします。
葬儀の日程は、ご家族だけで自由に決められるものではありません。
火葬場の空き状況、菩提寺の予定、式場の予約状況、ご家族や親族が集まれる日程など、さまざまな条件を調整して決定します。
特に都市部では火葬場の予約が数日先になることも珍しくなく、その間は安置施設や自宅で故人さまを冷却しながら安置することになります。
日程を急ぎすぎると、遠方の親族が参列できなくなることもありますし、反対に延ばしすぎると、お体の保全やご家族の負担が大きくなることもあります。
だからこそ、ご家族の希望と現実的な条件とのバランスを考えながら、葬儀社と相談して決めていくことが大切です。
葬儀の日程が決まったら、式の内容を具体的に決めていきます。
祭壇や棺、お花の種類、返礼品、お料理、お付き添いなどはもちろん、故人らしいお別れにするための演出についても、この段階で話し合います。
例えば、生前お好きだった音楽を流したり、趣味に関する品を飾ったり、お孫さんからお手紙を読んでもらったりと、ご家族ならではのお見送りの形を取り入れることもできます。
一方で、「あれもこれも」と希望を追加していくと、費用が大きく膨らむことがあります。
大切なのは豪華な葬儀にすることではなく、故人らしい時間をともに過ごせるかどうかです。
優先順位を整理し、ご家族にとって本当に必要なものを選ぶことで、後悔の少ないお別れにつながります。
また、供花や供物を辞退するかどうか、香典を受け取るかどうかなども、この段階で決めておくと、参列される方への案内もスムーズになります。
葬儀の日程が決まったら、関係者へ訃報を伝えます。
連絡先としては、家族葬の場合は親族、友人。一般葬の場合は、親族、友人に加え、故人および家族の勤務先、ご近所の方などが一般的です。
以前は電話で連絡することがほとんどでしたが、現在ではメールやLINEなどを利用するケースも増えています。
ただし、ご高齢の親族や特に親しい方には、できるだけ電話で直接お伝えしたほうが丁寧な印象になります。
訃報では、次の内容を伝えると親切です。
なお、葬儀の日程が決まる前に広く知らせてしまうと、後から何度も連絡し直すことになり、ご家族の負担が増えることがあります。
まずは近親者へ連絡し、詳細が決まり次第、その他の方へお知らせする流れがおすすめです。
葬儀の準備に追われていると、ご自身やご家族の服装を後回しにしてしまいがちです。
しかし、喪主やご遺族は参列者をお迎えする立場でもあります。
喪服に汚れやほつれがないか確認し、必要であれば早めにクリーニングやレンタルを手配しましょう。
靴やバッグは光沢の少ない黒色が基本で、アクセサリーも控えめなものが望まれます。特に最近は仕事で革靴を履く機会が減少し、靴についての準備が不十分になることが多く見受けられます。想送庵カノンでは、年に数回、靴のカカトの忘れ物がございます。革靴の状態についてはご確認いただきたいと思います。
数珠をお持ちであれば準備し、お子様が参列される場合は、学校の制服があれば制服を着用することが一般的です。
無理に新しいものを購入する必要はありませんが、故人への敬意と参列者への配慮が伝わる身だしなみを心掛けたいものです。
最後のお別れでは、故人が大切にされていた品物を棺へ納めることがあります。
これを副葬品といいます。
愛用品やお手紙、お花などを納めることはできますが、火葬の妨げになるものは入れることができません。
例えば、金属製品、ガラス製品、ファイバー製品、電池、スプレー缶、厚い書籍、ゴルフクラブ、まるごとの果物などは火葬炉を傷める恐れがあるため、避ける必要があります。
地域や火葬場によって基準が異なるため、事前に葬儀社へ確認すると安心です。
また、遺影写真もこの時期に準備します。
「良い写真がない」と心配される方も多くいらっしゃいますが、近年ではスナップ写真やスマートフォンで撮影した写真からでも、背景を整えたり服装を補正したりして遺影を作成できる場合がほとんどです。
故人らしい自然な表情の写真を選ぶことが、何より大切です。
葬儀が終わると、一段落したように感じられるかもしれません。
しかし、病院や介護施設などを利用されていた場合は、利用料金の精算や私物の引き取りなど、まだ必要な手続きが残っています。
入院費や診療費、施設利用料は後日請求となる場合もありますが、退院や退所時に精算が必要となるケースも少なくありません。
また、預かり金の返金や、健康保険証・診察券・施設の鍵など、返却や受け取りが必要なものがある場合もあります。
施設から案内があった際には、内容を確認し、できるだけ早めに手続きを済ませておくと安心です。
その後は、年金や健康保険、銀行口座、相続など、期限のある手続きも順次始まります。
一度にすべてを済ませようとせず、優先順位をつけながら進めていきましょう。
まずは葬儀社を決め、故人さまの搬送先と安置場所を確保することが最優先です。その後、喪主の決定や葬儀の打ち合わせへ進みます。
いいえ。その必要はありません。あらかじめ希望する葬儀社がある場合は、ご自身で依頼することができます。
菩提寺がある場合は、葬儀の日程を決める前のできるだけ早い段階で連絡することをおすすめします。ご住職の予定によって日程が変わる場合があります。
まずは近親者へ連絡し、通夜や葬儀の日程が決まってから、友人や勤務先などへ詳細をお知らせするのが一般的です。
はい。最近では画像補正技術が進歩しているため、スマートフォンで撮影した写真や集合写真からでも、遺影写真を作成できるケースが多くあります。
本記事の要点を振り返ります。
大切な方とのお別れは、心の整理がつかないまま、多くの準備や判断を求められる時間でもあります。
臨終後から葬儀までの数日間は、葬儀社の決定、喪主の選定、日程調整、訃報連絡など、限られた時間の中で進めなければならないことが数多くあります。
しかし、ご家族だけですべてを抱え込む必要はありません。
信頼できる葬儀社であれば、一つひとつ丁寧に説明し、ご家族の状況やご希望に寄り添いながら、必要な準備をサポートしてくれます。
大切なのは、慌ててすべてを完璧にこなすことではなく、故人との最後の時間を大切に過ごすことです。
わからないことや不安なことがあれば、一人で悩まず、遠慮なく相談しながら進めていきましょう。
想送庵カノン(東京都葛飾区立石)は、ご逝去直後のご搬送・ご安置から葬儀まで、ご家族に寄り添いながら一貫してお手伝いする滞在型の安置施設です。「何から始めればいいのかわからない」という段階でも構いません。お電話(0120-717-372)またはお問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。
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あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)
<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール
<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師
<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師
<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。
【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。
2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。
<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア
<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと
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