あえて一般葬を選ぶ理由|現役世代・学生を見送るということ

あえて一般葬を選ぶ理由|現役世代・学生を見送るということ

監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)

近年は、家族葬や直葬が主流になりつつあります。費用負担・人間関係の簡略化・高齢化・参列者の減少などを背景に、「小さく送る」という考え方が定着してきました。

しかし、この流れの中でも「あえて一般葬を選んだ方がよいケース」は確実に存在します。判断の鍵は、「故人さまに会いに来たい方が、どれくらいいらっしゃるか」にあります。

この記事では、現役世代や学生の方のお見送りで起きやすい課題、参列したい方の心情、ご家族の時間との両立、そして想送庵カノンの個室安置を活用した柔軟な見送り方まで、想送庵カノンの視点でご案内します。

目次

家族葬が主流の今でも一般葬が必要なケースはある

「人を呼ばない方が正解」という空気

家族葬が広がる中で、「人を呼ばない方が正解」のような空気を感じる場面があります。確かに小さく静かに送ることが合うご葬儀もありますが、その流れがすべての方に当てはまるわけではありません。

判断の鍵は「会いに来たい方の人数」

一般葬を検討するうえで重要な判断軸は、葬儀の規模そのものではなく「故人さまに会いに来たい方が何人いらっしゃるか」です。社会的なつながりが豊かな方ほど、参列を希望される方が多くなる傾向があります。

現役世代の方は一般葬を検討する余地が大きい

通勤時間帯の駅前を足早に歩く現役世代の人々の足元をとらえた写真

参列希望者が想像以上に多くなる

次のような方は、参列を希望される方が想像以上に多くなることがあります。

  • 現役で仕事をされていた方
  • 地域活動に関わっていた方
  • 交友関係が広い方
  • まだお若い方(〜60代くらい)

家族葬で起きやすい課題

家族葬で送られた場合、参列希望者の多さに対応しきれず、次のような事態が起きることがあります。

  • 焼香まで待つ場所がない
  • 受付が混乱する
  • 返礼品が足りなくなる
  • 予定より式が長引く
  • お花入れの時間が短くなりお別れが十分できない
  • 葬儀後に弔問客が日参し、ご家族が疲弊する

参列者が求めているのは「最後にお顔を見たい」気持ち

現代のご葬儀に参列される方は、豪華な祭壇・高額な返礼品・派手な演出を期待されているわけではありません。多くの方は「最後にお顔を見たい」「ありがとうを伝えたい」というお気持ちで足を運ばれます。

だからこそ、参列を希望される方が多い場合は、「葬儀を大きくする」ではなく「ちゃんとお別れを言える場を用意する」と考え方を切り替えていただくことが大切です。

特に一般葬の意味が大きいケース|学生の葬儀

誰もいない教室に机と椅子が並び、窓から光が差し込む静かな情景

若くして亡くなる場合の特別な意味

病気や事故などで、若くしてお亡くなりになる――ご両親にとっては言葉にならないほど辛い出来事です。

そのとき、クラスメイト・部活仲間・ご友人・恩師が次々と会いに来てくださる姿に、ご家族が救われる場面が少なくありません。

「こんなに大勢に大切にされていた」と知ること

「こんなに多くの方に大切にされていたのですね」と知ることが、ご家族にとって深い悲しみの中での支えとなることがあります。葬儀は単なる儀式ではなく、故人さまが誰に愛されてきたのかを静かに知る場でもあります。

若い参列者にとっても葬儀は大きな意味を持つ

同年代の死に向き合う経験

若い参列者にとって、同年代の死に向き合う経験は人生の中で非常に大きな意味を持ちます。楽しい経験ではありませんが、「死ぬとはどういうことか」を考えることは、「生きるとはどういうことか」を考えることと同じ意味を持ちます。

生き方を考えるきっかけになる

  • 自分はどう生きるのか
  • 誰を大切にするのか
  • 時間には限りがあること
  • 明日が当たり前ではないこと

実際、若い頃に大切な方を亡くされたご経験が、その後の人生観を変えた、と語られる方は多くいらっしゃいます。「ちゃんと生きよう」と思うきっかけになることがあるのです。

想送庵カノンでの実感

想送庵カノンでも、ご友人が最後のお別れに来られ、ゆっくりと時間を過ごし、来館されたときとは明らかに違うご表情で帰っていかれる若い方が多くいらっしゃいます。葬儀の場が人生観を支える時間になる場面を、現場で繰り返し見てきました。

だからこそ今でも一般葬を選ぶ意味は残る

家族葬には家族葬の良さがある

家族葬には家族葬の良さがあります。小さく静かに送ることがふさわしいご葬儀はたくさんあります。

一般葬がふさわしい場面

一方で、次のような場合には「あえて一般葬を選ぶ」という考え方に大きな意味があります。

  • 故人さまに会いに来たい方が多くいらっしゃる
  • 若くしてお亡くなりになった
  • 社会とのつながりが深い
  • 参列そのものに意味がある(ご友人・教え子・職場仲間など)

葬儀は「人生の影響」が静かに見える場でもある

葬儀は、その人が誰に愛され・誰と生き・どんな影響を残されたのかが、最後に静かに見える場でもあります。一般葬を選ぶ意味は、見栄ではなく「故人さまと人とのつながりを、最後にきちんと受け止める」ことにあります。

ご家族の時間と参列者の対応をどう両立するか

一般葬で発生する対応

一般葬を選ぶと、ご家族には次のような対応が発生します。

  • 受付対応
  • ご挨拶
  • 焼香のご案内
  • 会食対応
  • 電話対応

大切な方を亡くされた直後のご家族にとって、これらは想像以上の負担になります。

「お別れの時間」と「家族の時間」を分ける

解決の一つの形として、「お別れの時間」と「家族の時間」を分けるという考え方があります。一般葬と家族葬の二択ではなく、その間に柔軟な選択肢を用意することができます。

想送庵カノンの個室安置を活用した「間の形」

安置期間中のゆったりした面会時間

想送庵カノンの個室安置をご利用いただくと、安置期間中、朝10時から夜8時までの、10時間もの長い時間帯に、ゆっくりと面会していただけます。「数分だけ」「限られた人数だけ」ではなく、故人さまと静かに向き合っていただく時間を確保しやすいのが特徴です。

ご友人・職場関係には安置期間中にお別れを

学校のご友人・職場関係・趣味仲間・ご近所など、故人さまと関わりのあった方々には、通夜・告別式当日ではなく安置期間中に面会・お別れをしていただくことができます。

  • 「最後に会いたかった」が叶う
  • ご家族が来客対応に追われにくい
  • 面会に訪れる方も落ち着いてお別れを言える

通夜・葬儀告別式はご家族中心でゆっくりと

通夜・葬儀告別式そのものは、ご親族中心・小規模・来客対応を最小限にして行うことで、ご家族が家族として故人さまと向き合う時間を残すことができます。

「会いたい方には、ちゃんと会ってもらう」「ご家族の時間も守る」――この二つを同時に叶える「間の形」を、ご家族のご事情に合わせてご一緒に整えてまいります。

想送庵カノンからご家族へ

一般葬と家族葬は、二者択一で決めるものではありません。「故人さまとの最後の時間をどう過ごしたいか」「会いに来たい方にどう応えるか」を、ご家族のお気持ちに沿って組み立てていただくことができます。

想送庵カノンは、東京都葛飾区で滞在型の安置施設を運営しています。ご逝去から火葬までの数日間を、ご家族のペースで整えるためのご相談をいつでもお受けしています。

形式や規模よりも、ご家族と故人さまの時間を中心に、一緒に考えてまいります。

よくあるご質問(FAQ)

家族葬が主流の今なぜあえて一般葬を選ぶ人がいるのですか?

故人さまに会いに来たい方が多くいらっしゃる場合、家族葬では会場に入りきらない・葬儀後に弔問客が続きご家族が疲弊する、といった問題が起きやすいためです。現役世代・学生・社会とのつながりが深い方のお見送りでは、一般葬の方がご家族と参列者の双方にとって落ち着いた形になる場合があります。

一般葬と家族葬の違いは何ですか?

一般葬は親族以外の参列者を広く受け入れる葬儀、家族葬はご家族・親しい方のみで行う小規模な葬儀です。費用・時間・対応人数・心理的負担に違いが出ますが、どちらが正解というものではなく、故人さまの社会的なつながりとご家族のお気持ちのバランスで選ばれます。

若い世代の葬儀ではどんなことに気を配ればよいですか?

ご友人・部活仲間・恩師など、参列を希望される方が想像以上に多くなることがあります。お見送りを通じてご友人の人生観に影響を与えることもあり、「会いたい方が来られる場」を用意することが大切です。会場規模・受付対応・面会時間の確保を事前に整えておくと安心です。

「家族だけで送りたい」「友人にも会わせたい」を両立できますか?

できます。一例として、想送庵カノンの個室安置を利用し、安置期間中にご友人・職場関係の方にお別れをしていただき、通夜・葬儀告別式はご家族中心で行うという「間の形」があります。お見送りの場を分けることで、ご家族の時間と参列者のお気持ちの両方を大切にできます。

一般葬を選ぶときの注意点は何ですか?

予測される参列者の人数をできるだけ正確に把握し、人数に見合った会場規模・駐車場・受付体制・会食人数の見積もりを早めに行うことが大切です。ご家族が対応に追われ過ぎないよう、葬儀社へ受付や案内をお願いするなど役割分担を整えると、ご家族が故人さまと向き合う時間を確保しやすくなります。

出典・参考資料

  • 全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)「葬儀規模に関する調査」
  • 鎌倉新書「いい葬儀」家族葬・一般葬利用実態レポート
  • 日本消費者協会「葬儀についてのアンケート」
  • 厚生労働省「人口動態統計」

まとめ|「会いたい人がいる」ことを大切にする

  • 家族葬が主流の今でも、あえて一般葬を選ぶ意味があるケースがある
  • 現役世代・学生・社会とのつながりが深い方ほど、参列希望者は多い
  • 無理に家族葬で送ると、会場・受付・葬儀後の弔問対応で課題が起きやすい
  • 若い参列者にとって、お別れの経験が人生観を支える時間になる
  • 「お別れの時間」と「家族の時間」を分ける選択肢もある
  • 想送庵カノンの個室安置を活用すると、安置期間中にゆっくり面会いただける
  • 一般葬/家族葬の二択ではなく、ご家族の事情に合わせた「間の形」が選べる
三村 麻子

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この記事の監修者

三村 麻子のアバター 三村 麻子 看取りの水先案内人

あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)

<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール

<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師

<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師

<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。

【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。

2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。

<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア

<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと

監修者のプロフィールを見る

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