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監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)
「葬儀の料金は分かりにくい」「結局いくらかかるのか分からない」「見積もりより高くなった」――ご葬儀の話になると、こうした声をよく耳にします。
最近は定額プランやセット料金を打ち出される葬儀社も増えました。それなのに、なぜ追加料金やオプションがたくさんあるのでしょうか。基本プラン以外にもお金がかかるのはなぜなのか――こうした疑問をお持ちの方は少なくありません。
実は、ご葬儀が「オプションだらけ」になりやすいのには、きちんとした理由があります。この記事では、葬儀の基本プランの本来の意味、オプションが多くなる理由、後悔のない選び方まで、想送庵カノンの視点で整理してご案内します。
まず、お別れのあとに必要となる流れ自体は、それほど複雑ではありません。
極端に言えば、この流れを押さえていれば法律上も社会的にも大きな問題は起きません。直葬は、この最低限必要な流れを中心にした送り方です。「ご葬儀って意外とシンプルなんだな」と感じられる方もいます。
ですが、実際はそう単純ではありません。なぜなら、ここからお伝えする「個人差」が大きく関わってくるからです。

人の死には、想像以上に大きな個人差があります。
この違いによって、必要となる対応が大きく変わります。同じ「葬儀」という言葉でも、中身がまったく異なってくるのです。
たとえば、お亡くなりになってから長時間が経過しているケース。一般的なお別れの形が難しいことがあります。代わりに必要になるのは、次のような特別な対応です。
このように、費用が重点的に発生するポイント自体が変わることがあります。故人さまをきちんとお送りするために必要な対応が増えた結果として、追加費用が発生することも少なくありません。「豪華にしたから高くなる」とは限らないのです。
もうひとつ大きいのが、故人さまの社会的立場や生き方の違いです。
現役世代で仕事関係のつながりが深い方の場合、参列者が多くなる傾向があります。会社関係・取引先・ご友人・地域の知人――「最後にお顔を見たい」と思われる方が多いからです。
ご家族が思っていた以上に故人さまが慕われていた場合など、ごく近しいご家族だけで静かに送りたいと考えていても、参列人数が想定より多くなる場合があります。「故人さまがどう生きてこられたか」によって必要な形が変わるのです。
赤ちゃんやごく小さなお子さんのご葬儀は、一般的なご高齢の方のご葬儀とはかなり違います。参列される方は多くないかもしれません。社会的なつながりがまだ少ないからです。
けれど、そのぶん親御さんの悲しみは非常に深いものです。「これから先を一緒に生きるはずだった」という時間そのものを失う悲しみは、察するに余りあります。
そのため、次のようなご希望が出てくることがあります。
「人数が少ないから小さくて簡単」という話ではまったくありません。必要となる配慮・空気・支え方が違うのです。
宗教や信仰によっても、必要なものは変わります。宗派だけでなく、寺院によって考え方は異なります。
神道・キリスト教・無宗教でも、内容はそれぞれ変わります。「宗教的な儀式は一切必要ない」とおっしゃる方もいらっしゃいます。共通する「ひとつの正解」を作ること自体が、実はかなり難しいのです。
現実的なのが「人数問題」です。ご家族3人だけで送るご葬儀と、わずか15人に参列いただくご葬儀とでも、必要なものがまったく違います。まして、100人参列であればなおさらです。
人数が変わるだけで「必要なサービスそのもの」が変わります。「家族葬」「直葬」と同じ名前で呼ばれていても、中身は同じではないのです。
棺・骨壷・お花で飾る祭壇のグレードについて、「葬儀社が儲けのために売りつけているだけ」と思われることがあります。過剰な営業はもちろん良くありませんが、たとえば棺ひとつでも、仕様が変わる理由はちゃんとあります。
また、合理性だけでは割り切れない部分もあります。
ご家族の感情も含まれた選択になります。葬儀は感情が強く絡む場面だけに、合理性だけでは整理しきれないところがあります。

ここで最初の問いに戻ります。なぜ、ご葬儀の基本プランだけではすべてを賄えないのか。なぜオプションがあれほど多くなるのか。
それは、「誰にでも共通する最低限」しか基本プランには入っていないからです。
葬儀の基本プランは、多くの方が想像する「プラン内でたいていカバーできる」設定にはなっていません。「その人ごとに違う中身を入れる受け皿」のような設定です。
極端な例で言えば、食事をする前提として「お盆と食器と箸」だけを渡されたようなものです。中身は「別料金で」入れていくことになります。「そんなのおかしくないか」と感じられる気持ちは、よく分かります。
しかし、最初から「全部入り」にすることはできません。死はおひとりおひとり全部違うからです。あなたに不可欠な祭壇・棺のグレード・僧侶のご紹介・湯灌・精進落としは、隣の方には「取り外してほしいオプション」かもしれません。
「何が必要で、何が必要でないか」はその方によって異なり、決まった正解はありません。だからこそ葬儀料金は、必要に応じて組み立てるオプション形式になっています。
本当に問題なのは、次のような状況です。
「選択肢があること」そのものが悪いわけではありません。納得できないままただ増えていく――それがつらいのです。
葬儀業は本来、死に際して「この方には何が必要なのか」「どこを大切にしたいのか」「どこは省略してよいのか」を、ご家族と一緒に整理していく仕事だと、想送庵カノンは考えます。
豪華にすることが正解でもありません。安くすることだけが正義でもありません。
故人さまの状態・ご家族のご事情・宗教・人間関係・バックグラウンド・ご予算・お気持ち――それらを見ながら、「その人らしい送り方」を組み立てていきます。そのためにオプションは存在しています。
葬儀の基本プランは、決して「足りない設計」ではなく、「お一人お一人に合わせて組み立てる土台」です。とはいえ、ご家族にとっては「結局いくらかかるのか」が一番気になる部分でもあります。
想送庵カノンは、東京都葛飾区で滞在型の安置施設を運営しています。ご葬儀社の見積もりを一緒に整理したい、安置期間のあり方を相談したい――そんなご相談も歓迎しています。
ご家族のお気持ちに合った、納得感のあるお見送りを一緒に整えていけたらと願っています。
大丈夫です。むしろ大切なのは、「なぜ必要なのか」「行わないとどういう結果になるのか」を説明していただくことです。説明を聞いたうえでご納得いただけなければ、「今回は不要です」とお伝えして問題ありません。
できます。特に直葬や火葬式では、基本プラン中心で完結することも多くあります。ただし、故人さまの状態・ご搬送距離・火葬場の空き状況などによって、安置料など必要最低限の追加料金が発生する場合があります。また、火葬料金は別に必要となるのが一般的です。
故人さまの状況・ご家族のご事情・宗教・参列人数・安置期間などが大きく異なるためです。同じ「家族葬」「直葬」という名前でも、必要になる対応はかなり違います。「同じ名前のプラン=同じ費用」とは限らないのが現実です。
完全にゼロとは限りません。ご葬儀は個人差が大きく、必要な対応が発生することがあります。「追加なし」を強調している場合でも、含まれていない項目はそのまま別料金扱いになり、希望してもお応えできないと案内されるケースもあります。事前に「何が含まれているか」を確認することが大切です。
一概には言えません。選択肢が多いことは、さまざまなご事情に柔軟に対応できるということでもあります。大切なのは、見積もりが分かりやすいか・葬儀後のことまで考えたうえでの提案なのかなど詳しく理由を説明してくれるか・お断りしやすい雰囲気か・不安を煽る営業をしていないか、という点です。
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あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)
<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール
<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師
<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師
<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。
【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。
2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。
<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア
<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと
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