通夜の日に何をする?当日の流れとご家族の役割がわかる基礎知識

通夜の日の流れと家族の役割をまとめた記事のアイキャッチ画像

監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)

通夜の日は、故人とご家族が静かに過ごす最後の夜の時間です。

葬儀の中でも特別な意味を持つこの一日ですが、初めて喪主や遺族としての立場を経験される方にとっては、「いつ・何を・どう動けばよいのか」が分かりにくく、不安を感じられることも少なくありません。

ここでは、通夜当日に行われることを時系列でやさしく整理しながら、ご家族としてできる準備や心構えを、想送庵カノンの視点でお伝えします。少しでも当日の見通しが立ち、安心して大切な時間を過ごしていただくための一助になれば幸いです。

目次

通夜とは|故人と過ごす最後の夜の意味

通夜の受付で喪服のご遺族が香典を手渡し、当日の役割を果たす様子を写した場面

「夜を通して見守る」儀礼

「通夜」とは、もともと「夜を通して故人に寄り添い、見守る」という意味を持つ儀礼です。古くは家族や親しい人が一晩中ろうそくや線香を絶やさず、故人と過ごしてお別れをする習わしがありました。

現代では夕方から数時間で行われる「半通夜」が一般的になり、形は少しずつ変わってきました。それでも、通夜が「故人と過ごす最後の夜」であり、ゆかりのある方々が集まって別れを惜しむ大切な時間であることに変わりはありません。

葬儀・告別式との違い

翌日の葬儀・告別式が「お別れと社会的なお見送り」の場であるのに対し、通夜は「家族や近しい方と静かに過ごす夜」という色合いが強くなります。

参列者にとっては、葬儀に出られない方が前夜にお別れに伺う場という側面もあります。

通夜当日の流れ|全体像をつかむ

時系列でみる一日の流れ

通夜の日の流れは、大きく次のようなステップで進みます。

  • 納棺(のうかん):ご遺体を棺にお納めする儀式
  • 安置場所から式場への移動
  • 通夜開始の1時間半前を目安に、ご家族が式場入り
  • 礼状・返礼品・供花芳名最終確認
  • 僧侶のお出迎えとご挨拶
  • 通夜式(読経・焼香)
  • 通夜ぶるまい・思い出を語る時間
  • 散会、ご家族は安置場所での付き添いや帰宅へ

地域や宗教・宗派、式場の事情によって順番や所要時間は多少前後します。「だいたいの流れ」が頭に入っているだけで、当日の落ち着き方はずいぶん変わってきます。

納棺(のうかん)|旅支度をととのえる時間

納棺で行われること

通夜の日には、夕方からの通夜式の前に「納棺」が行われることが多くあります。納棺とは、それまでお布団で安置されていたご遺体を棺の中にお納めする儀式です(状況によっては、通夜の日より前に行われることもあります)。

納棺の場では、主に次のようなことが行われます。

  • ご遺体の処置
  • 故人の着せ替え(白装束や思い出のお召し物)
  • 末期の水(まつごのみず)
  • お顔のお手入れ・お化粧(エンゼルメイク)
  • 旅支度のお納め(杖・笠・頭陀袋など)

所要時間はおおよそ1〜2時間程度で、葬儀社のスタッフだけで進める場合もあれば、ご遺族が立ち会って一緒に支度を整えることもあります。

家族で見送り支度に関わるという選択

「自分たちの手で送り出してあげたい」という思いがあれば、納棺に立ち会いたい旨をあらかじめ葬儀社に伝えておきましょう。お顔をふいてさしあげる、お気に入りの服に着替えさせてさしあげる――こうしたひと時は、後から振り返っても、ご家族の心に深く残る時間になります。

安置場所から式場への移動|お見送りの始まり

自宅安置・施設安置のいずれも

納棺を終えると、故人は安置されていた場所から、通夜・葬儀を行う式場へ移動します。

最近は住宅事情などから自宅安置をしないケースも増えており、その場合は安置施設から葬儀社のスタッフが式場へお連れすることが一般的です。自宅で安置されていた場合は、このタイミングで式場へお連れすることになります。

お見送りの一場面として

短い移動ではありますが、これも大切なお見送りの一場面です。可能であればご家族で見送り、移動先の式場でお待ちする流れにすると、故人にとってもご家族にとっても落ち着いた時間になります。

通夜当日にご家族が行うこと|準備と確認

通夜開始1時間半前に式場へ到着

一般的には、ご家族は通夜開始時刻の1時間半前を目安に式場へ到着します。この時間で、式場との最終確認や受け入れの準備を落ち着いて整えていきます。

供花の確認|並び順と芳名

式場に並べられている供花については、次のような点を確認します。

  • いただいた供花の数
  • 供花札(芳名)の名前と表記
  • 血縁・関係性に沿った並び順

誤字や並び順の違和感に気づいた場合は、この時点で葬儀社のスタッフに伝えれば、開式までに調整してもらえます。時間的余裕のあるこのタイミングで、落ち着いて確認をしておくとあとが安心です。

僧侶へのご挨拶とお布施・お車代

僧侶が到着されたら、ご家族から控室にご挨拶に伺います。

その際にお渡しするものとして、一般的には次のようなものがあります。

  • お布施(読経・戒名へのお礼)
  • お車代
  • 御膳料(通夜ぶるまいに加わらない場合)

包み方は葬儀社のスタッフに確認するとよいでしょう。渡すタイミングは葬儀社のスタッフが声をかけてくれますので、心配する必要はありませんが、お布施の準備だけはしっかりとなさってください。

通夜の過ごし方|思い出を語り合う時間

進行は葬儀社に任せて大丈夫

通夜式そのものは、葬儀社のスタッフが進行と案内を担います。読経・焼香・参列者対応など、流れに乗って進んでいきますので、ご家族は「すべてを自分たちで仕切らなければ」と気負う必要はありません。

むしろ、参列してくださった親族や友人の方々と、故人の思い出を語り合う時間こそが通夜の本当の意味と言えるでしょう。

通夜ぶるまいの意味

通夜のあとに行われる「通夜ぶるまい」は、参列者への感謝を表すと同時に、故人を偲ぶ食事の場でもあります。すべて完食する必要はなく、形ばかりでも箸をつけることが供養になるとされています。お悲しみが強いなど、会話に加わるのが難しいご家族は、無理をせずご自身のペースで過ごしてください。

線香を絶やさない風習|現代の式場での向き合い方

昔ながらの考え方

かつては「通夜の間は線香の火を絶やさない」という風習が大切にされていました。線香の煙が邪気を払い、故人が迷わず極楽浄土へ行けると信じられていたためです。

現在の式場ではどうするか

現代では、消防上の理由などから夜間の火気使用を制限している式場が多くなっています。

そのため、無理に線香を灯し続ける必要はなく、式場のルールに従ってください。「灯し続けられないのは申し訳ない」と気にされる方もいらっしゃいますが、現代に合った安全な過ごし方を選ぶこと自体が、故人を大切にすることにつながっていきます。

通夜の日のご家族の心構え

無理せず感情のままに

通夜の日は、悲しみと慌ただしさが入り混じる長い一日です。涙が出たら無理に抑えず、つらいときは少しお席を外してみてはいかがでしょうか。

「喪主だからしっかりしなければ」「みんなの前で泣いてはいけない」と思い込まないでください。自然な感情のままで過ごしてくださることが、何よりの供養になります。

体調をいたわる

翌日には葬儀・告別式が控えています。可能な範囲で食事と休息をとり、ご自身とご家族の体調をいたわってください。「眠れないのが当たり前」と無理を重ねず、横になれる時間は横になっておきましょう。

よくあるご質問(FAQ)

通夜では具体的にどんなことが行われるのですか?

夕方からの通夜式の前に納棺や式場への移動が行われ、式では読経・焼香に続いて、参列者とともに故人を偲ぶ時間を過ごします。当日全体は半日ほどかけて、ゆっくりと進んでいきます。

納棺には家族も立ち会ったほうがよいのでしょうか?

必ず立ち会わなければならないものではありません。ただ、希望すればご家族で参加できることが多く、最後のお見送り支度に直接関わりたい場合は、事前に葬儀社へ相談しておくと安心して臨めます。

通夜当日は、何時ごろに会場へ行けばよいですか?

一般的には、通夜開始時刻の1時間半前を目安に式場へ到着します。供花の名前順や進行の最終確認、僧侶のお迎えなどを、落ち着いて行うために、時間には余裕をもって行動しましょう。

僧侶へお膳料・お車代は、必ず必要なのですか?

地域や宗派によって違いはありますが、多くの場合、お布施に加えてお車代と御膳料をお渡しします。金額の目安や渡し方に迷ったときは、葬儀社のスタッフに相談すれば、地域の慣習に合わせて教えてもらえます。

通夜の時間は、家族としてどのように過ごせばよいですか?

進行は葬儀社が支えてくれますので、無理に動く必要はありません。参列してくださった親族や親しい方と、故人の思い出を語りながらゆっくり過ごしていただくのが、何より大切な時間の使い方です。

まとめ|通夜の日を安心して迎えるために

  • 通夜は「故人と過ごす最後の夜」の意味を持つ大切な時間
  • 当日は納棺→式場移動→1時間半前到着→供花確認→僧侶挨拶→通夜式→通夜ぶるまい、の流れ
  • 進行は葬儀社が支えてくれるため、ご家族は故人との時間を大切に
  • お布施・お車代・御膳料の包み方は、迷ったらその場で葬儀社に相談を
  • 線香の扱いは式場のルールに合わせて。無理に灯し続けなくてよい
  • 感情を抑え込まず、ご家族のペースで過ごすことが何よりの供養

通夜の日は、準備や確認も多く慌ただしいものですが、何よりも大切なのは故人と過ごす最後の夜の時間そのものです。葬儀社のスタッフが進行を支えてくれますので、ご家族はどうか安心して、思い出を振り返るひと時を過ごしてください。

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この記事の監修者

三村 麻子のアバター 三村 麻子 看取りの水先案内人

あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)

<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール

<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師

<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師

<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。

【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。

2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。

<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア

<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと

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