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監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)
「実家のお墓を維持できない」「子どもに負担をかけたくない」――そんな思いから、墓じまい(改葬)を考えるご家族が増えています。
墓じまいは、単に墓石を片付ける作業ではありません。カロートに収められている全員分の改葬許可証の取得など正式な手続きが必要で、何よりご親族との合意形成がもっとも大切です。
ここでは、墓じまいの正しい流れと費用の目安、そして親族トラブルを避けるための伝え方を、想送庵カノンの視点で整理します。落ち着いて、ご家族のペースで読み進めていただければと思います。

墓じまいとは、現在のお墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去・更地にしたうえで、別の場所へ改葬(合祀墓・海洋散骨・樹木葬など)する一連の手続きを指します。
「お墓をなくす」のではなく、「供養のかたちを次のステージへ移す」と捉えると、ご親族の合意も得やすくなります。先祖を粗末にする行為ではなく、これからも続いていく供養の形を整え直す営みです。
近年、墓じまいを検討するご家族が増えている背景には、社会の変化があります。
ご家族の今の暮らしに合わせた供養のかたちを選ぶということなのです。
改葬は、墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)にもとづき、行政による許可書の発行など正式な手続きが必要です。準備を整えるには、早くて3か月、中には半年以上かかることがありますので、期間は余裕をもって進めてください。
もっとも重要な最初のステップです。費用負担や供養先の希望は、ご親族(親の兄弟・自身の兄弟・姉妹)によって考えが異なります。早い段階で集まり、丁寧に話し合いましょう。
「決まってから伝える」のではなく「検討している」段階で共有することが、後のトラブル予防につながります。
合祀墓、海洋散骨、納骨堂、樹木葬など、新しい供養のかたちを決定します。改葬先からの「受入証明書」が次の手続きで必要になりますので、書類発行の流れも事前に確認しておきましょう。
お寺の場合はお墓をお返しするやむを得ない事情を伝えて、離檀(檀家をやめること)について丁寧に相談します。長く供養していただいた感謝の気持ちを伝えることが、円満に進める第一歩です。書面ではなく、対面でのご相談が望ましいでしょう。
現在のお墓がある市区町村役場で「改葬許可申請書」を提出し、改葬許可証を発行してもらいます。必要書類は以下が一般的です。
(出典:厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律」第5条/各自治体「改葬許可申請」案内)
魂抜き・閉眼供養(へいげんくよう)と呼ばれる法要を行い、ご遺骨を取り出します。墓石は石材店が撤去し、区画を更地に戻します。お墓の規模や立地によって作業期間は数日〜数週間ほどかかります。
改葬先で開眼供養(または納骨式)を行い、新しい場所での供養が始まります。ここで一連の手続きは完了となりますが、ご家族の中ではこれからの供養がゆっくりと続いていきます。
費用は地域・墓地の規模・改葬先で大きく変わりますが、平均的な内訳は以下の通りです(出典:鎌倉新書「お墓に関する全国調査 2024」)。
総額の目安は30万〜200万円ほど。離檀料には法的な決まりがなく、相場は寺院との関係性によります。高額請求トラブルを避けるため、事前に金額目安をていねいに確認しましょう。
安さだけで判断すると、後悔やご親族との不和につながることもあります。
総額だけでなく、ご家族・寺院・改葬先との関係も含めた「全体の納得感」で判断していただくことをおすすめします。
墓じまいで多いトラブルは、費用や寺院との関係よりも「親族間の感情のすれ違い」です。お墓は、ご親族それぞれの故人への思いが重なる場所だからこそ、丁寧な対話が欠かせません。
次の4つを意識すると、ご親族との対話が穏やかに進みやすくなります。
ご親族の心情は、それぞれが故人を大切に思うからこそ生まれます。「正解を押し通す」より「全員が納得できる落とし所」を一緒に探す姿勢が、円満な墓じまいの鍵となります。
長くお付き合いのあるお寺との離檀は、形式よりも気持ちの伝え方が大切です。次のような姿勢で臨むと、お互いの納得につながりやすくなります。
近年は「離檀料を強要された」というご相談も耳にしますが、本来お布施は気持ちのお礼であり、強制力のあるものではありません。
万一トラブルになった場合は、菩提寺の本山や自治体の相談窓口、行政書士・弁護士への相談も選択肢になります。一人で抱え込まず、第三者に相談することで、冷静に整理できることも多いものです。
墓じまいは、ご家族の暮らしと供養のかたちを見つめ直す、大切な区切りです。
「迷っている」「親族とどう話せばよいかわからない」――そんな段階でも、考えを整理するだけで気持ちが少し軽くなることもあります。想送庵カノンは、葬儀から法要、その先の供養までを通じて、ご家族の歩みに寄り添ってきました。
お墓の改葬や供養のかたちについてご相談したい方は、どうぞお気軽にお声がけください。落ち着いて選べるよう、ご家族のペースに合わせてご一緒に考えます。
法的には祭祀承継者(お墓を引き継ぐ立場の方)が手続き可能ですが、ご親族の感情面のトラブルを避けるため、必ず事前に共有・相談されることをおすすめします。費用負担や供養先の希望は人によって異なりますので、早い段階での話し合いが何よりの予防策になります。
現在のお墓がある市区町村役場へ、祭祀承継者または代理人が申請します。受入証明書(改葬先発行)と埋葬証明書(現墓地管理者発行)を添えて提出し、改葬許可証が発行されます。手数料は自治体により数百円〜1,500円程度です。
法律上の義務はありません。ただ、これまでの感謝のお礼として、相場や寺院との関係を踏まえてお渡しするのが一般的です。万一高額の請求があった場合は、菩提寺の本山や自治体の相談窓口、行政書士・弁護士への相談も選択肢になります。
はい、改葬許可証があれば手元供養への切り替えも可能です。ただし将来的にどこへ納骨するかを決めておくと、ご家族の安心につながります。次世代の負担を減らすという観点でも、最終的な納骨先のイメージは早めに共有されることをおすすめします。
親族の合意形成から完了まで、半年〜1年が目安です。改葬先選び・お寺との相談・許可証取得など、それぞれに時間がかかりますので、急がず進めるのが穏やかなお別れのコツです。年忌法要や季節の節目に合わせて区切りを設ける方も多くいらっしゃいます。
厚生労働省「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」第5条 改葬の規定
各市区町村「改葬許可申請」案内ページ(東京都葛飾区/同台東区 ほか)
鎌倉新書「お墓に関する全国調査 2024」
公益社団法人 全日本墓園協会「お墓と埋葬の基礎情報」
お急ぎの方、ご依頼の方はお電話ください(24時間365日 対応)
あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)
<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール
<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師
<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師
<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。
【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。
2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。
<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア
<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと
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