第18回カノンカフェ開催レポート|遺言書が無効になるよくある間違い

第18回カノンカフェのアイキャッチ画像。遺言書の落とし穴、無効にしない書き方をテーマに開催しました

監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)

2026年4月12日(日)、想送庵カノンで第18回カノンカフェを開催しました。テーマは「遺言書の正しい作り方」です。

行政書士の勝桂子(すぐれけいこ)先生を講師にお迎えしました。第7回の墓じまい、第8回の遺言書に続く3度目のご登壇です。今回は実際に遺言書を書いてみる練習の時間も設け、和やかな雰囲気のなかで学びを深めていただきました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

目次

開催概要

開催日時

2026年4月12日(日)10時から12時

会場

想送庵カノン
〒124-0012 東京都葛飾区立石8-41-8
TEL:03-5875-7381

アクセス

京成線「青砥駅」より徒歩約12分。お車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用ください。

参加費

無料です。お飲み物と茶菓をご用意しました。

個別相談

セミナー終了後、ご希望の方を対象に約30分の個別相談を実施しました(先着2組・事前申込制)。

第18回カノンカフェの告知チラシ。2026年4月12日開催、テーマは遺言書の正しい作り方

今回のテーマ

遺言書を書けば安心。そう思っていらっしゃる方は少なくありません。

けれども実際には、書き方を誤ると法的な効力が認められなかったり、かえって相続のトラブルの原因になってしまうことがあります。せっかく残した意思が、形式の不備で届かない。これほど残念なことはありません。

第8回では、遺言書をラストレターとして捉え、なぜ書くのかという意味を中心に扱いました。第18回はその続きとして、どう書けば確実に届くのかという形式の話に踏み込みます。以下は当日のご説明のご紹介です。ご事情によって適した形は異なりますので、実際の作成にあたっては専門家にご相談ください。

セミナーの内容

遺言書を書いておくべき人

勝先生はまず、どのような方に遺言書が必要になるのかを整理されました。

相続は財産が多い方だけの問題ではないと、繰り返し強調されていました。むしろ分けられる財産が限られているほど調整は難しくなります。ご自身が該当するかどうかを一度確認していただきたい、というところから講演は始まりました。

よくある遺言書の失敗例

この回の中心が、実際によくある失敗例の解説でした。

形式の要件を満たしていなかったために効力が認められないケース、内容があいまいで解釈が分かれてしまうケース、そもそも見つけてもらえないケース。どれも書いたご本人は安心されていたはずです。具体的な事例を交えたご説明に、参加者の皆さまが真剣に聞き入っていらっしゃいました。

法務局の遺言書保管制度

見つけてもらえないという問題への対策として、法務局の遺言書保管制度についても解説していただきました。

ご自身で作成した遺言書を法務局に預けておける制度です。紛失や書き換えの心配がなくなるほか、手続きのうえでも利点があるとご説明がありました。自筆で書きたいけれど保管が不安という方にとって、知っておく価値のある選択肢です。

公正証書遺言をすすめる理由

そのうえで勝先生が改めてすすめられたのが、公正証書遺言でした。

費用と手間はかかります。それでも、公証人が関わることで形式の不備が生じにくく、法的な確実性が高いという点を挙げられました。何のために書くのかを考えれば、確実に効力が生じる形を選ぶ意味は大きいというお話でした。

実際に書いてみる練習の時間

セミナーの途中では、遺言書を書くことをイメージした練習の時間も設けられました。

聞いて理解したつもりでも、いざ書こうとすると手が止まります。何をどこまで書けばよいのか、誰の名前をどう記せばよいのか。実際に鉛筆を持ってみて初めてわかることがありました。この時間があったおかげで、質問の内容も具体的になっていったように感じます。

ご自身の意思を残しておくことは、身近に頼れるご家族がいらっしゃらない場合にいっそう大きな意味を持ちます。幼なじみの方が喪主となって送られた事例を、こちらの記事でご紹介しています。

当日の様子

参加者の皆さまは練習の時間にも真剣に取り組みながら、和やかな雰囲気のなかで学びを深めていらっしゃいました。

終始、質問や会話を交えながら進み、終活を身近に感じていただける時間となりました。専門家に直接尋ねられる場だからこそ、ためらわずに聞いていただけたのだと思います。

今回の気づき

今回のセミナーを通じて改めて感じたのは、相続は決して財産が多い方だけの問題ではないということです。

遺言書がないことで、ご家族が思いがけない手続きに時間と労力を費やしたり、相続人同士の話し合いが難航したりするケースは少なくありません。想送庵カノンでも、ご葬儀のあとにご家族の関係が難しくなってしまう場面を見てきました。

だからこそ、元気なうちにご自身の意思を整理し、ご家族への想いを形にしておく。遺言書は財産を分けるためだけではなく、遺されるご家族への思いやりを伝える手段でもあります。

講師紹介

第18回の講師は、行政書士の勝桂子(すぐれけいこ)先生です。

行政書士、葬祭カウンセラー、ファイナンシャルプランナーの資格をお持ちで、任意団体「ひとなみ」を主宰されています。遺言、相続、成年後見、死後事務委任など、終活とエンディングの分野で第一人者として活躍されてきました。

多数の講演と相談の実績をお持ちで、終活をもっと身近に、わかりやすくをテーマに情報を発信されています。カノンカフェには第7回、第8回に続く3度目のご登壇で、毎回ご家族の気持ちの動きまで踏まえたお話をいただいています。

カノンカフェで大切にしていること

カノンカフェは、終活について難しい、まだ早いと感じている方にも気軽にご参加いただける地域の交流の場です。

専門家の話を聞くだけでなく、疑問や不安を相談したり、参加者同士が学びを共有したりすることで、それぞれが自分らしい終活について考えるきっかけとなることを大切にしています。今回のように実際に手を動かす時間を設けるのも、そのための工夫のひとつです。

これからも地域の皆さまに寄り添いながら、安心してご参加いただける会を続けてまいります。

次回のカノンカフェについて

次回は、毎年恒例となっている「みんなの供養祭2026」を2026年6月14日(日)10時から12時まで開催する予定です。

想送庵カノンをご利用いただいたご家族はもちろん、どなたでもご参加いただける供養のイベントです。大切な故人さまやペットへの感謝の気持ちを込めて、ご一緒に手を合わせませんか。詳細は決まり次第、公式ホームページでご案内いたします。

参加費は無料です。お問い合わせは、お電話(03-5875-7381)またはFAX(03-5875-7382)で承ります。

よくあるご質問(FAQ)

遺言書は書けば必ず有効になりますか?

いいえ。形式の要件を満たしていないと効力が認められない場合があると勝先生からご説明がありました。第18回では、実際によくある失敗例を具体的に解説していただきました。

法務局の遺言書保管制度とはどのようなものですか?

ご自身で作成した遺言書を法務局に預けておける制度です。紛失や書き換えの心配がなくなるほか、手続きのうえでも利点があるとご説明がありました。

遺言書を書く予定がなくても参加できますか?

はい。将来のための知識として学びたいという方にもおすすめです。第18回では書く練習の時間も設けました。

家族と一緒に参加できますか?

はい。ご夫婦や親子でのご参加も歓迎しています。ご一緒に聞いていただくと、その後の話し合いが進めやすくなります。

セミナーのあとに個別相談はできますか?

はい。第18回では終了後に個別相談の時間を設けました。ご希望の方はセミナーへのお申し込みとあわせてご予約ください。

まとめ

第18回カノンカフェでは、遺言書が無効になってしまうよくある間違いと、確実に想いを届けるための書き方を学びました。

遺言書は財産を残すためだけではなく、ご家族への想いを残すための準備でもあります。そして、その想いを確実に届けるには形式を整えておく必要があります。書けば安心ではなく、正しく書いてこそ安心なのだと、この日改めて教えていただきました。

正しい知識を身につけることで、将来の不安は安心へと変わります。想送庵カノンは、これからも終活を身近に感じていただける場をご用意してまいります。

三村 麻子

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この記事の監修者

三村 麻子のアバター 三村 麻子 看取りの水先案内人

あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)

<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール

<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師

<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師

<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。

【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。

2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。

<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア

<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと

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