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監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)
大切な方を見送る準備の中で、「湯灌(ゆかん)」という言葉を耳にすることがあります。
映画『おくりびと』の影響もあり、ご遺体をお風呂に入れる儀式というイメージを持たれている方も多いかもしれません。
一方で、「湯灌は必要なの?」「どんな意味があるの?」「しないと失礼になるの?」と疑問に思われる方も少なくありません。
今回は、ご遺体ケアのひとつである湯灌について、その意味や費用、選ぶ際の考え方をご紹介します。

湯灌とは、故人さまのお身体をぬるま湯などで洗い清め、死装束を整え、旅立ちの支度を行う儀式です。現在は専門の湯灌師によって施されることが一般的です。
内容は事業者によって異なりますが、
などが行われます。その後、ご納棺へと進みます。
湯灌はもともと仏教文化の中で受け継がれてきた儀式です。かつては家族や地域の人々が故人さまのお身体を洗い清め、旅立ちの支度をしていました。
湯灌の儀式には、「この世の汚れを洗い流し、清らかな姿で送り出す」という意味が込められています。
現在では専門職によって行われることがほとんどですが、その根底にある考え方は今も変わっていません。
そのため、湯灌はご遺体ケアであると同時に、仏式の儀式としての意味合いも持っています。
湯灌は多くの場合、葬儀プランには含まれていません。オプションサービスとして追加する形式が一般的です。
費用は内容や地域によって異なりますが、おおむね5万円〜15万円程度が一つの目安です。費用は葬儀社を通じて葬儀代金として支払います。
湯灌は、ご家族が立ち会うこともできますし、立ち会わずにお任せすることも可能です。
湯灌を選ばれる理由は宗教的な意味だけではありません。
例えば、
生前お風呂が大好きだった方。
長い闘病生活の中で入浴が難しかった方。
介護や入院が続き、ご本人が「お風呂に入りたい」と話していた方。
そうした故人さまを思い、「最後にお風呂に入れてあげたい」というお気持ちから湯灌を選ばれるご家族もいらっしゃいます。
湯灌の時間を通して、「お疲れさまでした」「ゆっくり休んでください」そんな気持ちを託される方も少なくありません。
一方で、湯灌はすべてのご家族に向いているわけではありません。ご家族によっては、故人さまのお身体を洗う様子を見ることに抵抗を感じることもあります。
湯灌では故人さまのお身体を扱うため、どれだけ丁寧に行われても「見たくなかった」と感じる方がいることも事実です。
ご遺体を濡らすことについては衛生面や保全面からさまざまな考え方があります。絶対的な正解があるものではありません。
「みんながやっているから」ではなく、ご家族がどう感じるかを大切にしていただきたいと思います。
死化粧や冷却のように、ご遺体の状態を保つために必要なケアがあります。一方で、湯灌はそうした必須の処置とは少し性質が異なります。
湯灌は、
・宗教的な考え方
・故人さまの生前の好み
・ご家族のお気持ち
・お別れのあり方
によって選ぶ儀式です。
湯灌は、「必ず行うべきもの」でもなければ、「不要なもの」でもありません。ご家族が納得できるお見送りの形を考えたとき、その選択肢の一つとして検討されるとよいでしょう。
湯灌は故人さまのお身体を洗い清める儀式で、納棺は故人さまを棺にお納めする儀式です。通常は湯灌の後に納棺が行われます。
いいえ。必須ではありません。宗教観やご家族のお気持ちによって選ばれています。
はい。立ち会いが可能な場合が多く、ご家族がお手伝いできる内容を用意している事業者もあります。
一般的には5万円〜15万円程度が目安です。
できます。宗教的な意味よりも「最後のお風呂」として選ばれる方もいらっしゃいます。
湯灌は、故人さまのお身体を洗い清め、旅立ちの支度を整える仏式の儀式です。現在では専門の湯灌師によって行われることが一般的ですが、その根底には故人さまへの敬意と感謝の気持ちがあります。
一方で、必ず行わなければならないものではありません。宗教観や故人さまのお人柄、ご家族のお気持ちによって選択が分かれる儀式でもあります。
だからこそ、「何が一般的か」ではなく、「私たちはどのように送りたいか」という視点で考えてみることが大切なのではないでしょうか。
想送庵カノンでは、湯灌を含むご遺体ケアの選択についてもご相談いただけます。
本シリーズ「想送庵カノン ご遺体ケアシリーズ(全5回)」は以下の記事で構成されています。あわせてご覧ください。
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あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)
<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール
<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師
<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師
<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。
【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。
2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。
<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア
<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと
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