第1回カノンカフェ開催レポート|もしバナゲームで考える最期の望み

第1回カノンカフェのアイキャッチ画像。もしバナゲームを体験、最期の望みを語る時間をテーマに開催しました

監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)

2019年8月26日(月)、想送庵カノンで第1回カノンカフェを開催しました。テーマは「もしバナゲームをやってみよう」です。

台風の接近が心配される空模様でしたが、地元町会の皆さまをはじめ多くの方にご参加いただきました。カードゲームを通して、人生の最期に何を大切にしたいかを語り合う2時間となりました。ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

目次

開催概要

開催日時

2019年8月26日(月)10時から12時

会場

想送庵カノン
〒124-0012 東京都葛飾区立石8-41-8
TEL:03-5875-7381

アクセス

京成線「青砥駅」より徒歩約12分。お車でお越しの方は、近隣のコインパーキングをご利用ください。

参加費

無料です。お飲み物と茶菓をご用意しました。

個別相談

セミナー終了後、ご希望の方を対象に約30分の個別相談を実施しました(先着2組・事前申込制)。

第1回カノンカフェの告知チラシ。2019年8月26日開催、テーマはもしバナゲームをやってみよう

今回のテーマ

終活という言葉を耳にする機会は増えました。それでも、「何から始めればよいのかわからない」「家族と話すきっかけがない」という声を、想送庵カノンでは日ごろから数多くいただきます。

理由のひとつは、終活が死を正面から扱うテーマだからです。改まって切り出せば、どうしても空気が重くなります。話そうとした側も、聞かされた側も途中で言葉に詰まってしまい、結局また先延ばしになる。そういうことが実際によく起こります。

第1回のテーマに「もしバナゲーム」を選んだのは、そこに入口をつくりたかったからです。カードゲームという形をとることで、重たい話題を正面からではなく、少し斜めから扱えるようになります。

終活とは「終わらせること」ではなく「大切なものを引き継ぐこと」だと、想送庵カノンは考えています。何を大切にして生きてきたのか、これから誰に何を託したいのか。それを言葉にしておくことが、結果としてご家族を助けます。

セミナーの内容

もしバナゲームとはどのようなものか

「もしバナゲーム」は、人生の最期をどのように過ごしたいか、自分にとって本当に大切なものは何かを、カードを通して考えるプログラムです。カードには、療養や暮らし、人との関わりに関するさまざまな願いが書かれています。

参加者はそれを1枚ずつ手に取り、自分にとって大切だと感じるものを選び取っていきます。専門的な知識は必要ありません。ルールを聞いてすぐに始められるため、終活に触れるのが初めてという方でも参加しやすい形式です。

カードを選びながら自分の価値観を見つめる

このゲームの中心にあるのは、「選ぶ」ことよりも「絞り込む」ことです。大切だと思うカードは、手に取っていくうちにどんどん増えていきます。それでも最後には、その中から本当に手放せないものだけを残さなければなりません。

残すカードを決める過程で、参加者の皆さまは自然と立ち止まります。自分は何を一番大切にしているのか。普段は考えずに済ませているその問いにも、ゲームという形であれば向き合えます。当日も、手を止めてしばらく黙って考え込む方が何人もいらっしゃいました。

なぜそのカードを選んだのかを語り合う

カードを選び終えたあとは、各テーブルで「なぜそのカードを選んだのか」をお話しいただきました。ここが「もしバナゲーム」のいちばん大切な時間だと、想送庵カノンは考えています。

同じカードを選んだ方同士でも、その理由はまったく違います。ご自身の入院の経験から選ばれた方、看取ったご家族の姿を思い出して選ばれた方。理由を聞き合ううちに参加者の皆さまの表情がほぐれ、会話が自然と広がっていきました。

終活の話は、正解を教わるものではありません。それぞれの人生の背景から出てきた言葉を聞き合うことで、自分の考えの輪郭がはっきりしてくる。そういう時間になりました。

親子で話す終活という視点

ゲームのあとは、代表取締役の三村麻子より「親子で話す終活」をテーマにお話ししました。

終活は、お一人で完結するものではありません。どれだけ丁寧に希望を書き残しても、それがご家族に伝わっていなければ、いざというときに使われないままになります。逆に、正式な書面がなくても日ごろの会話で希望が共有されていれば、ご家族は迷わず判断できます。

「迷惑をかけたくない」と考える親御さまと、「もっと頼ってほしい」と願うお子さま。この二つの気持ちはすれ違いやすく、それが会話を止めてしまう原因にもなります。まずはお互いの考えを知ることから始めていただきたいと、お伝えしました。

もしもの時に家族が迷わないために

ご家族が最も苦しまれるのは、本人がどうしてほしかったのかわからないまま決断を迫られるときです。想送庵カノンでも、そうしたご相談を数多くお受けしてきました。

延命治療をどうするか、お葬式をどのような形にするか、誰に知らせるか。判断の材料がないまま短い時間で決めたことは、あとから「あれでよかったのだろうか」という思いとなって長く残ります。

だからこそ、お元気なうちに一度話しておくことに意味があります。完璧な結論を出す必要はありません。こういうことを考えているらしい、とご家族が知っているだけで、その後の重さはずいぶん変わると、想送庵カノンは考えています。

当日は「どうやって親に切り出せばよいか」というご相談も多くいただきました。カードを使わずに、日ごろの会話の中から希望を聞いていく方法は、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

当日の様子

当日は台風の接近が心配される空模様でしたが、地元町会の皆さまを中心に多くの方にお越しいただきました。第1回ということもあり、スタッフ一同は前日から準備に追われ、当日の朝も緊張しながら皆さまをお迎えしました。

はじめに「もしバナゲーム」を体験していただき、各テーブルで語り合う時間を持ちました。その後、代表取締役より「親子で話す終活」についてお話しし、お茶とお菓子を囲みながら、参加者の皆さまと自由にお話しする時間を設けました。

最後に館内をご案内しました。故人さまとゆっくり過ごしていただける個室や、ご家族が付き添える安置室をご覧いただきながら、その場で多くのご質問やご感想をいただきました。

今回の気づき

終活について話すことは、「縁起でもない」と受け取られてしまうことがあります。当日も、ご家族に話を切り出せずにいるという声を伺いました。

それでも会場では、ゲームという入口があることで自然と会話が生まれました。自分が大切にしたいこと、ご家族に伝えておきたいこと。改まって聞かれれば答えにくいことでも、カードを手にしながらであれば言葉になります。その様子を目の前で見られたことは、私たちにとっても大きな発見でした。

また、初めて想送庵カノンをご覧になった方からは、「実際に見学して初めてイメージできた」というお声をいただきました。終活も、お別れの場所も、まずは知ることから始まります。その第一歩をお手伝いできたことを、大変うれしく思っています。

講師紹介

第1回は、想送庵カノンを運営するあなたを忘れない株式会社の代表取締役・三村麻子と、取締役・内宮美知子の2名が担当しました。

内宮美知子は、グリーフ・カウンセリング・センター認定グリーフカウンセラーとして、大切な方を亡くされた方の心に寄り添う活動を続けています。「ライフ・ターミナル・ネットワーク」コーディネーター、グリーフサポートグループ「ハグハワイ」東京ファシリテーター、「カフェあの世この世」世話人。2012年に夫をスキルス胃がんで亡くした経験からグリーフや死生について学びを深め、遺族としての実感を持って想送庵カノンの立ち上げに加わりました。

カノンカフェで大切にしていること

カノンカフェは、専門家の話を一方的に聞くだけのセミナーではありません。お茶を飲みながら、参加者の皆さまが感じたことを言葉にし、お互いの考えを聞き合える場でありたいと考えています。

堅苦しい講演会ではなく「カフェ」という形にこだわったのも、そのためです。終活は特別な人だけが考えるものではなく、どなたにとっても必要な人生の準備です。だからこそ、気負わずに立ち寄れる入口が地域に必要だと、想送庵カノンは考えています。

これからも地域の皆さまとともに、終活について学び、語り合える場を続けてまいります。

次回のカノンカフェについて

第2回カノンカフェは、2019年9月23日(月・祝)10時から12時まで、「お片づけの入門編」をテーマに開催します。

在宅介護が始まるとき、家が片づいているかどうかでご家族の負担は大きく変わります。何から手をつければよいのか、どこまで進めればよいのか。生前整理の第一歩となる考え方を、わかりやすくお話しします。前回ご好評をいただいた「もしバナゲーム」も、あわせて実施する予定です。

参加費は無料です。お申し込みは、お電話(03-5875-7381)またはFAX(03-5875-7382)で承ります。

よくある質問

もしバナゲームとはどのようなものですか?

人生の最期をどのように過ごしたいか、自分にとって大切なものは何かを、カードを通して考えるプログラムです。カードを選び、その理由を参加者同士で語り合うことで、普段は話しにくいテーマにも自然と向き合えます。

終活の知識がなくても参加できますか?

はい。専門的な知識は必要ありません。ルールを聞いてすぐに始められる形式ですので、終活に触れるのが初めてという方にも参加しやすい内容です。

カノンカフェは誰でも参加できますか?

はい。終活に関心のある方であれば、どなたでもご参加いただけます。想送庵カノンでのご葬儀を予定していない方も歓迎しています。

一人で参加しても大丈夫ですか?

もちろんです。お一人でご参加される方は毎回いらっしゃいます。親子やご夫婦でのご参加も歓迎しています。

参加費はかかりますか?

参加費は無料です。お飲み物と茶菓をご用意してお待ちしています。

まとめ

第1回カノンカフェでは、「もしバナゲーム」を通して、人生の最期に何を大切にしたいかを言葉にする時間を皆さまと過ごしました。

終活は、人生を終える準備ではありません。大切な人へ想いを引き継ぐための準備でもあります。カードを手がかりに自分の価値観を見つめ、その理由を語り合った2時間は、参加者の皆さまにとってもご家族との会話のきっかけになったのではないかと思います。

カノンカフェは毎回テーマを変えて開催しています。終活は初めてという方も、どうぞお気軽にお越しください。

三村 麻子

想送庵カノンへのご相談や施設見学は、
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この記事の監修者

三村 麻子のアバター 三村 麻子 看取りの水先案内人

あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)

<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール

<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師

<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師

<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。

【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。

2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。

<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア

<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと

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