直葬とは?お別れの時間が足りなくなる理由と後悔しない備え方

直葬とは お別れの時間が足りなくなる理由と後悔しない備え方|想送庵カノン

監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)

直葬とは、通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人さまをお見送りする葬送形式です。費用を抑えやすく、準備や参列対応の負担が少ないことから選ばれる一方で、後になって「きちんと見送ればよかった」と感じるご遺族もいらっしゃいます。

直葬を考え始めた方がいちばん気がかりなのは、「このかたちを選んで、後悔しないだろうか」ということではないでしょうか。

この記事では、直葬でお別れの時間が足りなくなってしまう理由と、後悔しないための備え方を、実際のお見送りの事例とともに、東京都葛飾区の滞在型安置施設 想送庵カノンがご説明します。直葬というかたちを選んでも、火葬までの日々の過ごし方しだいで、お別れの時間はつくることができます。

目次

直葬とは|通夜や告別式を行わず火葬を中心にお見送りする形

「火葬式」とも呼ばれるいちばんシンプルな葬送形式

直葬とは、通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人さまをお見送りする葬送形式です。「火葬式」と呼ばれることもあり、近親者のみで火葬場へ向かい、短時間のお別れを行うのが一般的です。

祭壇を設けた式や、大勢の参列者をお迎えする場は設けません。また、宗教者による読経や儀式を行わないことが多いのも特徴です。

費用と負担を抑えられることから選ばれている

一般葬や家族葬に比べて費用を抑えやすく、準備や参列対応の負担が少ないことから、直葬が選ばれるケースがあります。身寄りが少ない場合や、故人さまが簡素なお見送りを希望されていた場合にも、選択肢の一つとなります。

ご事情に合った理にかなった選び方であり、直葬そのものが「よくないお見送り」なのではありません。ただ、このかたちには、あらかじめ知っておいていただきたい特徴があります。それが「お別れの時間」です。

直葬でお別れの時間が足りなくなる3つの理由

火葬場でのお別れはわずか10分程度のことも

直葬では、お別れの場面が火葬場に集中します。ところが、火葬場でお別れに立ち会える時間は長くありません。当館のご利用事例でもご紹介しているとおり、一般的な火葬場でお預け(ご安置)のみを行った場合、お別れに立ち会える時間はわずか10分程度にとどまります。

長い年月をともに過ごした方とのお別れとしては、あまりに短い時間です。

面会がほとんどできない安置施設もある

「それなら、火葬までのあいだに会っておけばよい」と思われるかもしれません。ところが、故人さまをお預かりする安置施設のなかには、面会の時間がごく短く限られているところもあります。

実際に想送庵カノンには、ご逝去の直後に最初に案内された安置施設で「面会は数分だけ」と知り、「とにかくお母さんと一緒にいたい」と一晩中インターネットで探し続けて、当館にたどり着かれたご姉妹がいらっしゃいました。ご姉妹は「亡くなったら母と一緒にいられなくなるなんて、知らなかったんです」と振り返られています。

「きちんと見送ればよかった」という後悔の声

火葬場でのお別れは短く、ご安置中の面会もままならない。そのまま火葬の日を迎えてしまうと、お別れの時間はほとんど残りません。直葬では十分なお別れの時間を確保しにくいことから、後になって「きちんと見送ればよかった」と感じるご遺族もいらっしゃいます。

後悔の正体は、直葬というかたちを選んだことそのものではなく、お別れの時間がどこにも用意されないまま、火葬の日を迎えてしまうことにあるのだと、想送庵カノンは考えています。

後悔しないための備え方|火葬までの安置期間に目を向ける

直葬でも火葬までのご安置の時間は必ずある

通夜や告別式を行わない直葬でも、ご逝去から火葬の日を迎えるまでのあいだ、故人さまがご安置されて過ごされる時間は必ずあります。

このご安置の期間を「火葬を待つだけの時間」にするのか、「お別れの時間」にするのか。同じ日数でも、その意味は大きく変わります。

どこにご安置するかでお別れの時間は変わる

そばで過ごせる場所にご安置すれば、火葬でのお別れそのものは短くても、そこまでの日々をゆっくりとしたお別れの時間にあてられます。

想送庵カノンは、故人さまとご家族が最後の時間をゆっくり過ごせる滞在型の安置施設です。ご面会・ご来館は10時から20時まで。お部屋のタイプによっては、夜間のお付き添いもしていただけます。また、いったん別の施設にお預けになったあとで、当館へ移っていらしたご家族もいらっしゃいます。

費用だけでなくご遺族の気持ちも含めて考える

直葬を検討する際は、費用だけでなく、故人さまらしいお見送りのかたちや、ご遺族の気持ちも含めて考えることが大切です。

「費用を抑えること」と「きちんとお別れをすること」は、どちらか一方しか選べないものではありません。次にご紹介する3つの実例が、そのことを教えてくれます。

直葬でもお別れの時間をつくれた3つの事例

火葬までの4日間|母と娘の穏やかな弔い

長い介護の日々のなかで「葬儀はしない」「誰にも見せたくない」と決めていらっしゃった娘さまが、お母さまの急逝を機に、ご友人の紹介で当館へお電話をくださいました。お体のケアを終えて見違えるほど穏やかになったお母さまと個室で過ごされるうち、枕元には生前お好きだったコーヒーが供えられ、傍らで静かに本を開く時間が生まれました。「こんな普通の時間を母と過ごしたかった」と、そっと呟かれています。

火葬までの4日間、お母さまと過ごされた時間はあわせて27時間。お見送りの際には「お母さんが戻ってきてくれたようでした。幸せな時間を過ごせました」と、晴れやかな笑顔でお母さまを送り出されました。

親子水入らずで過ごした27時間

先ほどご紹介した、一晩中探して当館を見つけてくださったご姉妹は、翌日に別の施設から当館へ移動され、お母さまを真ん中に囲んで思い出を語り合いながら、27時間を親子水入らずで過ごされました。

ご出棺の際に残してくださったのは、「葬儀で一番大切なのは、こうして最期に“一緒にいられる場所”なんですね」という言葉です。

福祉葬でも尊厳あるお別れを

直葬のなかには、生活保護の「葬祭扶助」という制度を利用して執り行う、「福祉葬」と呼ばれるかたちもあります。

身寄りのない幼なじみのご友人を福祉葬で見送られたご家族は、「粗雑にされてしまうのではないか」という不安を抱えて当館にいらっしゃいました。けれども、ご到着後の温かいお世話に「本当に安心しました」と安堵され、その後は毎日欠かさずご面会に通われて、大切なご友人との時間を重ねられました。

直葬と見送り葬|似ているようで異なる考え方

見送る時間そのものをいちばん大切に考えるのが見送り葬

想送庵カノンには、「見送り葬」というお見送りのかたちがあります。あなたを忘れない株式会社(想送庵カノンの運営会社)が商標登録している弔い方で、「宗教的儀式のあるなしに関わらず、見送るという時間そのものをいちばん大切に考える」ことを核としています。

ここまでご紹介した3つの実例は、いずれもかたちとしては直葬です。それでも、それぞれのご家族が故人さまと過ごす時間を真ん中に置いてお見送りをされた点で、見送り葬の考え方に重なるお別れでした。

直葬は形式の名前で見送り葬は考え方の名前

「直葬=見送り葬」ではありません。宗教儀式を行わないことが多い点では似ていますが、直葬が「何を行うか」という形式の呼び名であるのに対し、見送り葬は「時間をどう大切にするか」という考え方の名前であり、両者は異なるものです。

直葬を検討しながら「それでもきちんとお別れがしたい」と感じていらっしゃる方には、見送り葬という考え方がひとつの手がかりになります。

補足|直葬を検討するときに確認しておきたいこと

菩提寺がある場合は事前の相談を

直葬では宗教者による読経や儀式を行わないことが多いため、菩提寺がある場合は事前の相談が必要です。手配を進める前に、直葬を考えていることをひと言お伝えしておくと安心です。

安置場所の面会と滞在の条件を先に確かめる

同じ直葬でも、どこにご安置するかでお別れの時間はまったく違うものになります。面会できる時間や回数、そばで過ごせるお部屋があるかどうかを、ご依頼の前に確かめておきましょう。あとから別の施設へ移られたご家族の例もありますが、はじめから過ごし方に合った場所を選べれば、ご家族のご負担は軽くなります。

当日の流れを知りたい方へ

直葬で実際に何を行うのか、当日までの流れを知りたい方は、解説記事「直葬とは何をするのか」をご覧ください。

よくあるご質問(FAQ)

直葬とはどのような葬儀ですか?

直葬とは、通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心に故人さまをお見送りする葬送形式です。「火葬式」と呼ばれることもあります。近親者のみで火葬場へ向かい、短時間のお別れを行うのが一般的で、費用や準備の負担を抑えやすいことから選ばれています。

直葬を選ぶと後悔しますか?

直葬というかたちそのものが後悔につながるわけではありません。ただ、火葬場でのお別れは短時間になりやすく、十分なお別れの時間を確保しにくいことから、後になって「きちんと見送ればよかった」と感じるご遺族もいらっしゃいます。火葬までのご安置の期間をどこでどう過ごすかをあらかじめ考えておくことが、後悔しないための備えになります。

直葬でも故人さまとゆっくりお別れできますか?

はい、できます。想送庵カノンでは、面会や滞在のできるお部屋で、火葬の日まで故人さまとお過ごしいただけます。実際に、火葬までの4日間で27時間をお母さまと過ごされた事例や、親子水入らずで27時間を過ごされた事例があります。

直葬と見送り葬はどう違いますか?

直葬は、通夜や葬儀・告別式を行わない葬送形式の呼び名です。見送り葬は、宗教的儀式のあるなしに関わらず、見送るという時間そのものをいちばん大切に考えるお見送りの考え方で、あなたを忘れない株式会社が商標登録しています。宗教儀式を行わないことが多い点は似ていますが、同じものではありません。

菩提寺がある場合でも直葬にできますか?

直葬では宗教者による読経や儀式を行わないことが多いため、菩提寺がある場合は事前の相談が必要です。手配を進める前に、直葬を考えていることをお伝えください。なお、想送庵カノンは宗教・宗派を問わずご利用いただけます。

まとめ|直葬でもお別れの時間はつくれます

  • 直葬とは、通夜や葬儀・告別式を行わず、火葬を中心にお見送りする葬送形式です
  • 火葬場でのお別れは10分程度と短く、面会が数分に限られる安置施設もあります
  • 後悔しないための鍵は、火葬までのご安置の期間をどこでどう過ごすかにあります
  • 想送庵カノンには、直葬でも27時間と、故人さまと過ごす時間を持たれた実例があります
  • 見送る時間そのものをいちばん大切に考える「見送り葬」という考え方もあります

直葬を検討する際は、費用だけでなく、故人さまらしいお見送りのかたちやご遺族のお気持ちも含めて考えることが大切です。そのための場所と時間のご用意が、想送庵カノンにはあります。

想送庵カノン(東京都葛飾区立石)は、故人さまとご家族が最後の時間をゆっくり過ごせる滞在型の安置施設です。

三村 麻子

「直葬にするかどうか、まだ決めていない」という段階のご相談も承っております。お電話またはお問い合わせフォームから、どうぞお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

三村 麻子のアバター 三村 麻子 看取りの水先案内人

あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)

<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール

<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師

<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師

<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。

【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。

2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。

<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア

<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと

監修者のプロフィールを見る

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