見送り葬とは?直葬との違いと故人さまと過ごす時間の考え方

見送り葬とは 直葬との違いと故人さまと過ごす時間の考え方|想送庵カノン

監修:三村 麻子(あなたを忘れない株式会社 代表取締役)

「もう温泉には行けないけれど、せめて最期は親子3人でゆっくり過ごしたい」「とにかくお母さんと一緒にいたい」。ご逝去の直後、最初に案内された安置施設で面会は数分だけと知り、一晩中探して想送庵カノンにたどり着かれたご姉妹の言葉です。

見送り葬は、そうしたお気持ちに向き合うなかで形になったお見送りです。想送庵カノンは、見送り葬を「宗教的儀式の有る無しに関わらず、見送るという時間そのものをいちばん大切に考える」お見送りのかたちと定めています。ここでは、直葬との違い、東京でこの考え方が必要とされる理由、そして実際の過ごし方をご説明します。

目次

見送り葬とは|見送る時間そのものをいちばん大切に考える弔い方

あなたを忘れない株式会社が商標登録しているお見送りのかたち

見送り葬は、あなたを忘れない株式会社が商標登録しているお見送りのかたちです。想送庵カノンは、同社が東京都葛飾区立石で運営する滞在型の安置施設です。

登録は2019年2月、想送庵カノンの開業とほぼ同じ時期です。施設を開くより前から、この言葉を守る手続きは始まっていました。あとから付けた呼び名ではありません。

「何をするか」ではなく「どう過ごすか」から組み立てる

見送り葬の核にあるのは、「宗教的儀式のあるなしに関わらず、見送るという時間そのものをいちばん大切に考える」という一点です。「故人さまとの時間を大切に過ごすこと」を何より重視します。

故人さまとの思い出を語り合い、ただ静かに寄り添いながら、それぞれの想いで大切な人を見送る、お別れの時間を中心にした弔い方です。想送庵カノンでは、ご自宅でなくとも、落ち着いたお部屋などさまざまなサービスの提供を通じて、ご家族が故人さまのそばでゆっくりと過ごせる環境を整えています。

一般的な葬儀の打ち合わせは、段取りの話から始まります。見送り葬は、そこから始まりません。「ご家族は何人ですか」「遠方の方はいつ着きますか」「故人さまはどんな方でしたか」という、過ごし方の話から始まります。順番が逆なのです。

宗教的儀式の有る無しは問わない

見送り葬は、宗教儀式を行わないお見送りに限りません。儀式を行うかどうかにかかわらず、見送る時間をいちばん大切に考えるなら、それは見送り葬です。

実際に想送庵カノンでは、奥さまと96時間を過ごされたのち、通われていた教会でご葬儀を執り行われたご家族もいらっしゃいます。読経のあるお見送りも、無宗教のお見送りも、どちらも見送り葬になりえます。形式にとらわれず、故人さまとただ一緒にいる時間そのものを大切にする。それが見送り葬の特徴です。

見送り葬と直葬の違い

一覧表で見る7つの違い

「宗教儀式をしない」という一点だけを見ると、直葬と見送り葬は同じものに見えます。並べて比べると、違いがはっきりします。

比べる観点直葬(火葬式)見送り葬
位置づけ世間に広く定着した葬送形式あなたを忘れない株式会社が商標登録した弔い方
宗教儀式行わないことが多い有る無しを問わない
発想の方向儀式・費用・手間を省く「引き算」故人さまと過ごす時間を確保する「足し算」
選ばれる動機費用を抑えたい・負担を減らしたい慌ただしく送りたくない・ゆっくりお別れしたい
お別れの中心火葬場でのお別れ火葬を迎えるまでの日々そのもの
過ごす場所安置室(面会に制限がある施設もある)ご家族が滞在できるお部屋
時間の考え方短く済ませるご家族のペースに合わせる

「直葬=見送り葬」ではありません。見送り葬は葬送形式の区分ではなく、時間をいちばん大切に考えるという「考え方」の名前です。宗教儀式を行わないお見送りとも、ご葬儀のあるお見送りとも組み合わせられます。

直葬は「引き算」・見送り葬は「足し算」

いちばん大きな違いは、発想の向きです。

直葬は、一般葬から通夜を引き、告別式を引き、宗教儀式を引いた形です。費用も負担も軽くなり、故人さまが「簡素に送ってほしい」と望まれていた場合にはご遺志にかなう選び方になります。

見送り葬は、何を引くかより先に、足すものを決めています。足すのは祭壇でも花でもなく、「時間」です。儀式を行う場合も行わない場合も、まず故人さまと過ごす時間を真ん中に置くという考え方です。

直葬を選んだ方の後悔で最も多いのは「お別れの時間」

株式会社鎌倉新書が2024年に実施した「第6回 お葬式に関する全国調査」(喪主経験者2,000名)では、葬儀の形式は家族葬50.0%、一般葬30.1%、一日葬10.2%、直葬・火葬式9.6%という結果でした。

注目したいのは、直葬・火葬式を行った方への設問です。「後悔していることはない」と答えた方は38.7%にとどまりました。多く挙げられた後悔は「通夜をしなかったこと」、そして「火葬場でのお別れの時間が短かったこと」でした。

費用や段取りへの後悔ではありません。時間への心残りです。

火葬場で最後のお別れに使える時間は、多くの場合わずかです。向き合う時間がそこしかないとすれば、心残りが生まれるのは自然なことだと、想送庵カノンは考えています。見送り葬は、この心残りを避けるための考え方でもあります。

見送り葬で大切にする3つの時間

そばにいる時間

何もしなくてよい時間です。想送庵カノンでお母さまを見送られたある娘さまは、枕元に生前お好きだったコーヒーを供え、傍らで静かに本を開いて過ごされました。そして「こんな普通の時間を母と過ごしたかった」と、そっと呟かれました。

言葉を交わさずに同じ部屋にいた時間が、あとになって支えになることを、私たちは現場で見てきました。

語り合う時間

故人さまを囲んで思い出を話す時間です。まだお姿があるうちは「あのとき、こう言ってたよね」と、本人に話しかけるように言葉が出てきます。

遠方のご親族の到着を待ち、全員がそろってから語らいの時間を持たれるご家族もいらっしゃいます。誰かが間に合わないまま火葬を迎えずに済むのも、時間に余裕を持つ意味のひとつです。

手をかける時間

お顔やお体を整えて差し上げる時間です。洗髪をする。お顔をそる。病院で着せられた浴衣から、ご本人が気に入っていた服に着替えていただく。こうしたことをスタッフに任せきりにせず、ご家族の手で少しずつ進めていただけます。

何かをして差し上げられたという実感は、そのあとの日々の支えになると、想送庵カノンは考えています。

東京で見送り葬という考え方が必要になった理由

火葬まで4日以上待つのが当たり前になった関東地方

見送り葬は、理想論として生まれた考え方ではありません。東京の現実に向き合った結果です。

前述の鎌倉新書の調査によると、亡くなってから火葬までの日数は、全国では「2日後」が35.1%で最多でした。ところが関東地方では4日以上かかった方が過半数を占め、冬季(12月・1月・2月)には8日以上待った方が18.1%にのぼりました。

つまり東京では、望む望まないにかかわらず、故人さまとご家族が一緒に過ごす日数がすでに生まれているのです。その数日を「火葬までの待ち時間」にするのか、「お別れの時間」にするのか。同じ日数でも意味がまったく変わります。見送り葬は、この分かれ道に名前を付けたものです。

法律でも死後24時間は火葬できない

「墓地、埋葬等に関する法律」第3条により、埋葬または火葬は死亡から24時間を経過した後でなければ行えないと定められています(感染症法などに別の定めがある場合を除きます)。

どれほど急いでも一日以上の時間があり、東京では予約状況によってそれが数日に延びます。「時間はもともとある」というのが出発点です。

自宅にお連れできないご家庭が増えた

かつては病院から自宅へお連れして、ふだんの部屋でお別れをするのが当たり前でした。いまはそれが難しいご家庭が増えています。

  • 集合住宅でエレベーターに棺が入らない
  • ご自宅を売却済み、あるいは長く空き家になっている
  • ご近所に知られたくない、というお気持ちがある
  • ご家族が高齢で、自宅での付き添いが体力的に難しい

そこで安置施設に預けるかたちを選ばれるわけですが、施設によっては面会そのものができなかったり、面会時間や回数に制限があったりします。「預けたきり、火葬まで会えなかった」というご経験を持つ方は少なくありません。

自宅ではないけれど、自宅のように過ごせる場所をつくる。想送庵カノンが滞在型の安置施設として立ち上がった理由は、ここにあります。

想送庵カノンの見送り葬|実際の過ごし方

ご到着からご出棺までの流れ

決まった型はありませんが、多くのご家族はおおよそ次のように過ごされます。

  1. 病院や施設から、想送庵カノンへご搬送します
  2. ご到着後、面会・打合せ室で故人さまとお会いいただき、お部屋にご安置します
  3. ご家族のご都合に合わせて、お別れの日程と過ごし方をご相談します
  4. ご面会・ご滞在を重ねながら、故人さまと過ごしていただきます
  5. ご家族が立ち会うなかで、お顔やお体を整え、納棺いたします
  6. お花をお納めし、ご出棺・火葬場へ向かいます

このうち4番目の「面会と滞在」に何日をあてるかが、見送り葬でいちばん大切なところです。一日で終えることも、火葬場の予約に合わせて数日をかけることもできます。

ご家族の人数と過ごし方でお部屋を選ぶ

想送庵カノンには、冷蔵設備を備えた安置室から、ご家族が滞在できる個室、リビングのある広いお部屋まで複数のタイプがあります。夜間もそばで過ごされたい場合はレンタルベッドをご用意し、シャワールームや各フロアのオープンラウンジもお使いいただけます。「泊まれる」ことよりも「気兼ねなく居られる」ことを大切にした設計です。

実際にあったお見送りの事例

5年にわたる闘病の末に亡くなられた80代の男性は、「葬儀はしなくてもよい」と言い残されていました。奥さまは大変悩まれながら、ご主人さまのご遺志を守られました。

3日目、奥さまがお一人で面会にお越しになり、「主人と二人で過ごせて、たくさん話ができました」と微笑まれました。4日目のご納棺には10名が立ち会われ、和室で洗髪を行い、ご家族の皆さまにタオルでお体を拭いていただいたあと、ご愛用のツイードのジャケットにお着替えいただきました。お孫さん3人の泣き笑いの声が聞こえるなか、1時間以上をかけたご納棺でした。

5日目は故人さまを囲んでのご会食。闘病中は食べられなくなっていたからと、お写真の前には陰膳が供えられました。儀式的なことは何も行っていません。それでも「簡素に済ませた」お見送りではなかったことが伝わりましたら幸いです。

補足|見送り葬を選ぶときに気をつけたいこと

菩提寺がある場合は先に一報を

宗教儀式を行わないかたちを選ぶ場合、菩提寺があるご家庭は事前に一報を入れておきましょう。

理由は「許可を得るため」ではありません。あとで納骨をお願いする際、お寺が事情をご存じないままだとご家族が説明に困るためです。「故人の遺志で宗教儀式は行わず、家族だけで見送りました」とお伝えしておけば、多くの場合は円滑に進みます。

三村 麻子

想送庵カノンは宗教・宗派を問いません。見送り葬のあとで法要を営まれるご家族もいらっしゃいます。

ご親族への伝え方

「通夜も告別式もしない」とだけ伝えると、ご親族に「簡単に済ませるつもりか」と受け取られることがあります。伝え方を少し変えるだけで、受け取られ方は変わります。

お親族への伝え方の例

避けたい言い方:「式はやらないことにしました」

おすすめの言い方:「式の代わりに、火葬まで家族で付き添う時間をとることにしました。〇日の午後でしたら、ゆっくりお別れいただけます」

何をしないかではなく、何をするかを伝える。これは見送り葬そのものの考え方と同じです。

費用は総額ではなく過ごせる時間で考える

見送り葬の費用は、お部屋のタイプとご滞在の日数によって変わります。大切なのは総額の比較よりも、「その費用で何時間を過ごせるか」という見方だと、想送庵カノンは考えています。

よくあるご質問(FAQ)

見送り葬と直葬は何が違いますか?

直葬は、宗教儀式を行わず火葬のみで送る葬送形式です。いっぽう見送り葬は、宗教的儀式のあるなしに関わらず、見送るという時間そのものをいちばん大切にするお見送りの考え方で、形式の区分ではありません。直葬のかたちで営むことも、読経や教会でのご葬儀と組み合わせることもできます。

見送り葬でも菩提寺への相談は必要ですか?

宗教儀式を行わない場合でも、菩提寺があるご家庭は事前に一報を入れておかれることをおすすめします。のちの納骨や法要の際に、ご家族が説明に困る場面を避けられるためです。想送庵カノンは宗教・宗派を問わずご利用いただけます。

見送り葬は何日くらいかかりますか?

法律により、火葬は亡くなってから24時間を経過したあとでなければ行えません。加えて関東地方では、火葬場の予約状況により4日以上お待ちいただくことも多くあります。その日数をお別れの時間としてお過ごしいただくのが見送り葬です。日数はご家族のご都合に合わせてお決めいただけます。

参列できるのはご家族だけですか?

ご家族だけでお過ごしになるのも、ご友人や職場の方にお越しいただくのも、どちらも可能です。想送庵カノンでは、ご家族だけの静かなお見送りから15名ほどでお集まりになったお見送りまでお手伝いしてきました。人数に合わせてお部屋をお選びいただけます。

費用は直葬より高くなりますか?

お部屋のタイプとご滞在日数によって変わります。祭壇や式場の費用はかかりませんが、日数をかけるほどご利用料金は積み上がるため、直葬の最低価格帯と単純に比較できるものではありません。ご予算をお伺いしたうえで過ごし方をご提案いたしますので、まずはご相談ください。

まとめ|見送り葬は「時間」を選ぶという考え方

見送り葬は、「宗教的儀式のあるなしに関わらず、見送るという時間そのものをいちばん大切に考える」お見送りのかたちです。あなたを忘れない株式会社が商標登録しています。儀式を省くことが目的ではなく、故人さまと過ごす時間を何よりも大切にすることが目的である点が、直葬と大きく異なります。

東京では、火葬までに数日を要することが珍しくありません。その日数を待ち時間にするか、お別れの時間にするか、選べるということを知っていただきたいと、想送庵カノンは考えています。

想送庵カノン(東京都葛飾区立石)は、故人さまとご家族が同じ部屋で過ごせる滞在型の安置施設です。

三村 麻子

宗教・宗派は問いません。
見送り葬では「故人さまと過ごす時間」のサポートをいたします。お電話またはお問い合わせフォームから、どうぞお気軽にご相談ください。

ご相談はお電話( 0120-717-372 無料)
またはお問い合わせフォームからどうぞ

お急ぎの方、ご依頼の方はお電話ください(24時間365日 対応)

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この記事の監修者

三村 麻子のアバター 三村 麻子 看取りの水先案内人

あなたを忘れない株式会社
代表取締役 三村 麻子(みむら あさこ)

<想送庵カノン(滞在型安置施設)の運営>
故人と家族が「最後に過ごす時間を大切にする」セレモニーホール

<専門学校>
東京ホスピタリティ・アカデミー
葬祭ディレクター学科 講師

<供養コンシェルジュ>
供養コンシェルジュ協会 理事/講師

<看取りサポートのパイオニア>
高齢者を支える家族に
「疲れない介護」「家族が幸せになる看取りと葬送」を提案。

【看取りの水先案内人として幅広く活動】
家族に深く寄り添う相談スタイルで、
生前のご相談から、お見送りのあとのグリーフケアまで
多数の相談実績と活動歴を持つ終活の専門家。

2004年に葬儀式場の運営に携わって以来、
葬送の現場に立ち続けている。
2019年には、安置と面会に重きを置いた施設として
想送庵カノンを開設。

<サポート内容>
生前整理、介護、葬儀、供養、遺品整理、グリーフケア

<著書>
・初めて喪主になる人のための親を心から見送る葬儀ガイド
・親が死んだ5分後にあなたがしなければならないこと
・離れて暮らす親と上手に付き合うための本
・親には一人暮らしをさせなさい
・親の老後に寄り添うために知っておきたいこと

監修者のプロフィールを見る

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